「, -ing」は必ずしも付帯状況分詞構文にあらず!
確かに、文中の「, -ing」のほとんどが付帯状況分詞構文で、「~しながら(同時)」か「~して、そして・・・(連続)」で訳出すれば上手く行くのですが、引っかけ問題も結構出題されてるので注意する必要があります。京大赤本の解説者さえ引っかかるわけですからね!!注意してもし過ぎることはありません。
例えば、次の英文は青山学院大学が出題した下線部訳ですが、これも一見すると付帯状況分詞構文に見えるのですが、「同時」や「連続」で訳出すると変なことになります。
A third good reason for learning poetry by heart is that, by doing so, you are sowing a harvest in yourself. It may seem to you at the time a dull, laborious, business with nothing to show for it; but as you get a bit older, you’ll find passages of poetry you learned at school and thought you had forgotten, thrusting up out of your memory, making life happier and more interesting.
[同時]
でも、だんだん年を取るにつれて、君が君の記憶から浮かび上がってきて、君が人生を今までよりも楽しく面白くしながら、学校で習って忘れてしまったと思っていた詩の一節を見いだすだろう。
[連続]
でも、だんだん年を取るにつれて、学校で習って忘れてしまったと思っていた詩の一節を発見して、そして君が君の記憶から浮かび上がってきて、君が人生を今までよりも楽しく面白くするだろう。
前にも言いましたが、分詞の意味上の主語は、主節の主語と一致するのが原則ですから、君が記憶の中から浮かび上がったり、君が人生を面白くしたりすることになってしまい、これでは全くお話になりません。じゃあ、この分詞は一体何かというと、「find+O+C」の「C」なんです。つまり、「気づくだろう+何が+どの様にするのを」の「どの様にするのを」です。
[気がつく+何が+どの様にするのを]
でも、だんだん年を取るにつれて、学校で習って忘れてしまったと思っていた詩の一節が記憶の中から浮かび上がってきて、人生をもっと楽しく面白くしてくれているのに気がつくはずだ。
SVOCの「C」の前には普通コンマはつかないので、「, -ing」となっていると付帯状況分詞構文だと勘違いしてしまいます。じゃあ、なぜコンマが付いているのかというと、「何が」はpassages of poetryなのですが、それに長い飾りが付いていてものすごく長くなってしまったこと、さらにその飾りの最後がforgottenという分詞で終わっていることが原因で、ここにコンマを置いて「どの様にするのを」との区切り目をハッキリさせたかったわけです。
あ、この青学の問題を提供してくれたのは、前にここでもお世話になった駿台予備校の超有名講師の先生です。とっても参考になりました。また教えてくださいね。
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