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車戸くんからの質問(9)

<質問>
これは「京大の英語25カ年」に出てくる1991年度の[2]の下線部(2)の英文と、赤本の全訳です。
I thought, too, of the image of the mule as it appears throughout a well-known American novelist’s work, how he associates the beast always with the poor and makes of it a symbol of patient intelligence and stubbornness in the face of suffering. 
また、ある有名なアメリカの小説家の作品の随所に登場するラバのイメージを思い浮かべた。つまり、その作家が常にラバを貧しい人々と結びつけ、苦難にあっても忍耐強い知性と不屈さを持ち続けることの象徴としていることを思い出した。
そして、解説の所には「how節はimageの内容説明で、同格になっている。howは本来副詞だが、こういう用法では接続詞のthatとほとんど同じである」と書いてあります。でも、how節が同格になることってあるのでしょうか?同格ならなぜ初めからthatを使わなかったのでしょうか?
<回答>
車戸くん!これは君の言う通りで、how節に同格の用法なんてありません。ですから、この赤本の正解や解説は間違っていますね。日本語にしたときに「~不屈さを持ち続けることを象徴しているイメージ」のようにイメージを説明しているように訳出できるというただそれだけの理由で、赤本の著者は「同格のhow節」など言い出したのだと思います。こういうのは「英文解釈」ではなくて「自分勝手な解釈」ですね。
このhowは関係副詞で、先行詞the wayが省略されているタイプです。このhowは授業でもやりました。こんな具合です。
クレオパトラがやったように、世界の人々の想像力を掻き立てた古代エジプトの女王は他にいない。
No other queen of the ancient world has captured the world’s imagination [the way] how she has.
このhowも関係副詞で、先行詞the wayが省略されています。あ、hasで文が終わっているので当然省略があるわけです。分からないときは、省略の末尾のhasを直前に探します。すると、has captured~が見つかるので、省略されているのはhas captured the world’s imaginationだと分かります。だから、クレオパトラが僕らの想像力を掻き立てたようなやり方では、他の古代の女王は僕らの好奇心を掻き立てない、と言いたいわけですね。京大の英語もこれと同じです。
ある有名なアメリカ人小説家の作品のあちこちに、彼がその動物をいつも貧しい人々と結びつけるようなやり方で、それ(ラバ)は登場する。
It appears throughout a well-known American novelist’s work [the way] how he associates the beast always with the poor.
あ、「結びつけるようなやり方で」よりも「~にそれは登場し、彼はその動物をいつも貧しい人々と結びつけた」の方がキレイな日本語です。でも、赤本にあるように「つまり」は不要です。あ、あ、今はcall centerの膨大な量のマニュアルを翻訳していて、ちょっと手が離せません。これが終わったら「出直しの英文法(仮題)」に今度こそ取りかかります。もう少し待っていてくださいね。

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