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マーカ抽出法講義(19)

マーカ抽出法講義の第19回目です。前から「間違った選択肢」のパターンをやってましたが、こっちはちょっと置いておきます。今回からしばらくは、今年のセンター試験、問5の「内容一致問題」の解き方を解説して欲しいというリクエストが多いので、それを考えてみましょう。
問題文は、お爺ちゃんの日記と、その孫がお爺ちゃんに宛てた手紙の2本立てです。設問の1と2が「心情把握問題」、3と4が「事実確認問題」です。過去に出題されたセンター英語の難問(2001年本試験問6)も厄介な「心情把握」系で、その上作問ミスがあって正解がありませんでした(ですから、難問というよりも奇問・珍問で、それに関する説明が一切ないのはちょっと納得できませんがね。詳細はここに書いてあるので参照しておいてください)。でも、今年の「心情把握問題」は選択肢の正誤に曖昧さがない分、問1や問2は比較的簡単でした。言い換えると、「間違った選択肢」が「本文に書かれていない」という一番簡単なパターンだったので難しくはなかったはずです。ですから、根拠文もすぐに見つけることができます。
でも、問3の「事実確認問題」は、マーカ文が問題文の各所に散在するので、根拠文を見つけるのに苦労したんじゃないでしょうかね。実際、ここで時間がかかってしまい、問6に割り当てる時間が減ってしまった子がたくさんいたみたいです。でも、マーカを選択肢全部からちゃんと抽出しておけば、結構簡単に解けたはずです。
では、今回は「心情把握問題」の問1を考えて見ましょう。先ずはいつものように、マーカを抽出するために問1の設問文から見てゆきます。でも、これじゃあどうしようもありません。
問1 Salvador wanted Chitose to (  42  ).
①appreciate things for how they are
②dress more like an artist
③find another art teacher
④paint young-looking people
SalvadorもChitoseもメイン・キャラですから、問題文のあちこちに登場します。だから、いくら固有名詞が理想的なマーカになるとは言っても、今回は全然役に立ちません。つまり、この設問文からはマーカを抽出することはできません。ここで発想を変えます。問題文からSalvadorはスペイン人画家、Chitoseはその孫で彼から絵のレッスンを受けていたことが分かります。そして、お爺さんのSalvadorは孫のChitoseにどうして欲しかったのかが設問文の内容です。だったら、それだけの情報で本文を読み始めるしかありません。でも、本文の最初の行にChitose and I had a huge fight(チトセと私は大げんかをした)とあるので、ケンカをしてまで孫に訴えたいことがお爺さんにはあったはずだと分かります。そう思って先を読み進むと、こう書いてあります。
孫には画家として大きな欠点があって、彼女が人物画を描くと、実物よりも理想化された姿になってしまうことがしょっちゅうあった。
She has a big weakness as an artist.  When she paints a person, too often she paints an idealized image rather than the real person.
だったら、お爺さんは孫にそんな欠点を克服して欲しいと思ったはずだから、答えはもう①しかありません。
問1 サルバドール爺さんはチトセに(  )して欲しかった。
①物事をあるがままに認識すること
②もっと画家らしい服装をすること
③別の絵の先生をさがすこと
④若く見える人を描くこと
ね!そんなことは本文のどこにも書かれていないので、間違った選択肢を見破るのは簡単でしょ!でも、1つ言わせてもらえば、①の選択肢はちょっと変です!appreciate A for Bとは普通は言いません。「物事をあるがままに認識する」と言いたいのなら、appreciate things as they areと言うのが普通です。こういう普段使わない様な表現をセンター試験の問題にするのはどうかと思いますよ、作問委員の先生!

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