マーカ抽出法講義(16)
マーカ抽出法講義の第16回目です。南山大学外国語学部の長文を使って、マーカがヒットしない場合の対処法を勉強してます。前回までのとろこで、設問4でマーカがヒットしませんでした。でも、設問3と設問5ではちゃんとマーカがヒットして、正解にたどり着けました。ま、設問5は根拠段落はあっても根拠文はありませんでしたけれどね。
じゃあ、設問4はどうするのかというと、設問3の根拠文と設問5の根拠段落の間を読んでゆくのです。つまり、設問4の根拠文はその間に絶対にあるはずなのですよ!これは「設問の順番とストーリー展開が一致する」という内容一致問題(あるいは内容真偽問題)の特性を逆手に取った解法です。こんな具合です。
4.Why was the chair returned to the store again and again.
① The owner of the store didn’t tell the true story about it.
② The person who had bought it lost interest.
③ The brick-red color made the purchaser gloomy.
④ There was nothing the color harmonized with.
¶7 I stepped into the store to ask the price: six hundred dollars. “Oh,” I caught my breath, and walked out. A week later the chair disappeared, and with a faint regret, I decided to forget about it.
¶8 Then just eight days before the purchase of our house, the chair reappeared in the window. “Look, it’s back,” I called to my daughter, Caroline, who looked up at me from her baby stroller. A week later it disappeared again.
¶9 When it reappeared a second time, I rushed into the store and asked what the story was. The owner laughed. “Everyone who walks in here wants that chair,” he explained, “but once they get it home, they see it doesn’t match anything. It’s brick-red, not true red.” ”Brick-red,” I repeated to myself.
マーカとして抽出したthe chair returned to the store again and againはヒットしませんが、第7~9段落にかけてdisappearedとreappearedが繰り返し出てきます。だから、この辺りに根拠文があるなと思って読み進めます。すると、第9段落の最後から2番目の文にこうあります。
⊿その椅子を家に持って帰ると、それが何とも釣り合わないことが分かるのです。なぜなら、その椅子はレンガの赤色で、原色の赤色とはちがうからね。
①その店の主人が椅子について本当のことを言わなかった。
②その椅子を買ったら興味をなくす。
③レンガの赤色が買った人を憂鬱にさせる。
④何もその椅子の色と合わない。
この様に、設問文の抽象性が高くなると、そこから抜き出すマーカは具体性の高い本文中にはヒットしなくなります。つまり、設問の方は「その椅子は何度も店に返品された」という抽象文、本文の方は「椅子が売れてなくなった」と「また店に現れた」を繰り返す具体文なわけですから、マーカは一致しません。ま、このくらいの抽象⇔具体の変換は分かりやすい方ですがね。
でも、設問4でマーカがヒットしないからといってあわてない。設問の順番とストーリーの展開は一致するので、設問3と設問5の根拠文の間に、必ず設問4の根拠文があるんだから、安心してスッパリと設問4をスキップすれば良いわけです。
また、外国語学部の場合も根拠文と正解の選択肢の間にやっぱり「同じ意味の表現の置き換え」があります。ここではmatchとharmonizeの置き換えになっていますね。2つがほぼ同じ意味だと気付くためには、他の学部に比べると1ランク上の語彙力が要求されます。だから、普段から語彙力をちゃんとつけておかなくちゃなりません。次回は「正しい選択肢・誤った選択肢」のパターンを1つ1つ見てみましょう。
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