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マーカ抽出法講義(7)

マーカ抽出法講義の第7回目です。今日も引き続きTOEICの「Reading Section」での「マーカ抽出法」の使い方を勉強しましょう。
TOEICの「内容一致問題」で、「どれが本文で述べられていないか」とか「どれが本文の内容から推察できるか」のように、全ての選択肢の正誤を判別しなくてはならないタイプは、各選択肢からそれぞれマーカを抽出しなくてはなりません。でも、今日やるような「オルメック遺跡で発見された黒曜石でできた道具についての最新の研究で何が分かったのか?」のようなタイプの設問は、正しい選択肢は1つだけですから、選択肢の方じゃなくて設問文からマーカを1つか2つ抽出すればOKです。それじゃあ、設問文を見てみましょう。
According to paragraph 4, what has recent research on obsidian tools found at Olmec sites shown?
(A) Obsidian’s value was understood only when Teotihuacan became an important city.
(B) The residents of Teotihuacan were sophisticated toolmakers.
(C) The residents of Teotihuacan traded obsidian with the Olmecs as early as 400 B.C.
(D) Some of the obsidian used by the Olmecs came from the area around Teotihuacan.
設問文に登場する名詞を3つともマーカとして抽出しました。あるいは、recent research on obsidian toolsを1つのマーカにしても良いでしょう。次に、マーカを探しながら第4段落の英語を読み進みます。すると、設問の英文とソックリ同じ件(くだり)が出てきます。
¶4 It seems likely that Teotihuacan’s natural resources—along with the city elite’s ability to recognize their potential—gave the city a competitive edge over its neighbors. The valley, like many other places in Mexican and Guatemalan highlands, was rich in obsidian. The hard volcanic stone was a resource that had been in great demand for many years, at least since the rise of the Olmecs (a people who flourished between 1200 and 400 B.C.), and it apparently had a secure market. Moreover, recent research on obsidian tools found at Olmec sites has shown that some of the obsidian obtained by the Olmecs originated near Teotihuacan. Teotihuacan obsidian must have been recognized as a valuable commodity for many centuries before the great city arose.
TOEICの設問には、感動的なくらい悪意がありませんね!だって、設問文で「オルメック遺跡で発見された黒曜石でできた道具についての最新の研究で何が分かったのか?」と訊ねれば、本文で「オルメック遺跡で発見された黒曜石でできた道具についての最新の研究で次のことが分かった」と書いてあるのですからね!そして、マーカ文(マーカがヒットした文)がそのまま根拠文(正誤を判断するための根拠となる文)になっているところも素敵です。その根拠文のthat以下と正解の選択肢を並べて比べて見ると、思わず近くにいる人にキスしたくなります。
(本文)Some of the obsidian obtained by the Olmecs originated near Teotihuacan.
(正解)Some of the obsidian used by the Olmecs came from the area around Teotihuacan.
これで本当に大丈夫なの?と言いたいくらい、本文と設問の英語が酷似してるのが分かります。後は語彙力です。originate Aで「Aが原産である」の意味だと知ってれば、come from Aと同じだと分かります。そしてobtainには「それを手に入れて確保し、(その結果)それが流通し、行われ、通用している」ことだと知っていれば、obtained by the Olmecsもused by the Olmecsも同じ事を言っていと分かります。near Aがaround Aになってるのはカワイらしいですね。
正しい選択肢の作り方は大体次の7通りです。昔は、「次の各組の英文がほぼ同じ意味を表すように、空所に適語を1語ずつ補え」の類の記述問題として良く出題されていたのですが、今はマーク問題が主流なので、これが姿を変えて「内容一致問題」の正しい選択肢作りに利用されているわけです。
1.同じ意味の単語どうしの置き換え
2.同じ意味の構文どうしの書き換え
3.分析的表現⇔総合的表現の置き換え
4.具体的内容⇔抽象的内容の置き換え
5.比喩的表現⇔直接的表現の置き換え
6.仮定法⇔直説法の置き換え
7.能動態⇔受動態の置き換え
そして、TOEICの正しい選択肢は、一番明快な「1.同じ意味の単語どうしの書き換え」なわけです。繰り返しますが、後は語彙力ですね。TOEICもTOEFLも、大学受験用の英単語集に出てくる見出しレベルの単語の複数の意味が、有意味な広がりを持ったネットワークの形で頭の中にちゃんと入ってないといけません。辞書によっては意味のネットワークをキッチリ書いてくれてるものがあるので、そんな辞書を利用するのも1つの手です。大学入試くらいなら1つの単語に対して1つの意味しか知らなくてもなんとか日本語力で押し切ることができますが、TOEICやTOEFLではそうは行きません!

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