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夏のアブラゼミ 第13日目 もうちょっとだけ寄り道

「夏のアブラゼミ」13日目です。今日も、伊藤和夫氏の『英文解釈教室 改訂版』に出てくる英文をやってます。あと残っているのはreserved for its citizenでしたね。
【問題】
  The very bigness of America has an importance in the formation of its tradition which it is not easy to overestimate.  It creates the belief that America is different, is somehow exceptional, that there is reserved for its citizens another destiny from that which is to befall the Old World.
<英文解釈教室>
【解説】
僕は君のためにこのケーキを取っておいたよ。
I reserved this cake for you.
他動詞 reserveは「人のために何かを取っておく」とか「用意しておく」です。だから、普通は reserve 物 for 人 の並び方になります。これを、「人のために取っておいた物」にするには、関係代名詞を使ってこうします。あ、このwhich isは省略可能ですね。いわゆる「接触節」というやつですが、ETの法則のところでやったa book [which is] written in Englishと同じですよ!
君のために取っておいたケーキがあるよ。
There is a cake [which is] reserved for you.
それと同じ構造をしているのが上の赤い部分です。
アメリカ人のための取っておきの運命がある。
There is a destiny [which is] reserved for its citizens.
前の回で最後でやったのはこんな文でしたね。
アメリカには、旧世界に降りかかるのとは違う運命が待ち構えている。
There is another destiny from that which is to befall the Old World.
両方とも「運命」を飾る長い飾りがついています。2語以上の飾りは普通はETの法則に従いますから、「運命」の後ろに来ます。さて、ではどちらをdestinyの直後に置けば良いと思いますか?これが結構難しいのですよ!構造上、「another A form B」はバラバラにしたくはありません。同様に、「接触節」というくらいですから、reserved for its citizensもdestinyと接触させておきたい。そこで著者は何をしたかというと、「取っておきの」をdestinyの前に置いてしまったのです。だって、「取っておきの」はreserved 1語ですから、destinyの前に置いても別にかまいません。
取っておきの運命
a reserved destiny
これに「アメリカ人のための」の意味の「前置詞+名詞」、for its citizensをreservedとdestinyの間に割り込ませたのです。ま、確かに「前置詞+名詞」は色んな所に割り込みますが、これはちょっとやり過ぎでしたね。だって、これじゃあ頭デッカチのET型になってしまいますからね。
アメリカ人のための取っておきの運命
a reserved [for its citizens] destiny
思うのですが、There is~から文を始めるから厄介なことになるのです。普通ならanother destinyから文を始めてこうします。
アメリカ人のために、旧世界に降りかかるのとは違う運命が用意されている
Another destiny is reserved for its citizens from what is to befall the Old world.
どうせ「前置詞+名詞」は自由に配置できるのだから、それなら文末にまとめてしまうのがキレイです。それにthat whichなんて古くさい表現は今は使わないので、要はthe thing whichと同じなのだから、whatにしてしまいます。
ま、普段みんながやらないようなことをやると、ちょっと人とは違う様に見えるのが世の常。この書き方(style)もそんな「ちょっと格好をつけて書いた」英文なわけですよ。でも、こんなのは決して普通の英語表現などではありません。こんな特殊な例をわざわざどこかから引っ張ってきて、英語の学力テストに使うのはどうかと思いますよ!答案もAnother destiny is reserved~の方でまとめておきます。
全訳例】
アメリカが巨大であることは、アメリカが他国とは違っていて、どういうわけかアメリカは別格であり、旧世界に降りかかるのとは違う運命がアメリカ人のために用意されているという信念を生むのだ。

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