夏のアブラゼミ 第4日目 and、but、orが結ぶものを見極めろ!②
「夏のアブラゼミ」の4日目です。先ず名古屋大学の問題のやり残しを片付けましょう。赤い部分が残ってましたね。
【問題】
Learning words increases the size of a child’s vocabulary. Behind this obvious truth lies a set of complex issues concerning the wide range of information that children employ in learning new words. But does the size of a child’s vocabulary influence how he or she learns, or retains, new words? Clearly, there must be a relationship between the child’s ability to learn new words and the size of his or her vocabulary.
<名古屋大学>
【解説】
この英文は、There is A+場所の文末副詞で、「Aが場所にある」の構造が見抜ければ簡単です。そして、場所の文末副詞が「前置詞+名詞」になっていて、betweenが前置詞、A and Bが名詞の造りになってますね。andが結んでいるものを特定するには、andの直後に注目するとthe size of his or her vocabularyの「the+名詞」、直前に「the+名詞」を探すとthe child’s abilityが見つかります。すると、between A and Bはこんな構造だと分かります。
⊿子供の能力と語彙の量との間
between the child’s ability and the size of his or her vocabulary
じゃあ、残ったto learn new wordsはETの法則でやった不定詞の形容詞用法だと分かります。
⊿今日読む本
a book to read today
これと同じ構造で・・・
⊿新しい言葉を学ぶ能力
ability to learn new words
【全訳例】
明らかに、子供が新しい言葉を学ぶ能力と、語彙の量との間には何らかの関係があるに違いないのだ。
さて、時間が余ってしまったので、類題を出しておきます。これは入試問題ではないのですが、京都大学に行きたければ読むべし!と言われていた(過去形です)バートランド・ラッセルの英文です。この中に登場するand、but、orが何と何を結んでいるのかを考えてみてください。
When I was young we all knew, or thought we knew, that a man consists of a soul and a body; that the body is in time and space, but the soul is in time only. Whether the soul survives death was a matter as to which opinions might differ, but that there is a soul was thought to be certain.
<Bertrand Russell “What is the soul?”>
thatについてのまとまった講義は2学期にやる予定ですが、ここに出てくるthatは3つとも「ことシリーズ」のthatです。つまり、すでに1度授業でやったthatですよ!
⊿私がそこに行くこと
for me to go there
my going there
that I go there
あと、as to whichがよく分からないと思うのですが、as toは群前置詞と言って、2語で1つの前置詞と同じ働きをします。このas toはaboutやonと同じ意味で、「~のことに関して」とか「~について」の意味です。だからas to which はabout whichと同じことになります。そして、関係代名詞で大切なことは、関係代名詞を消してしまって、飾られる名詞(=先行詞)を関係代名詞が導く飾りの文の中に戻してやると、完全文ができ上がることです。ちょっとやってみましょうかね。
⊿父が僕に買ってくれた本
a book which father bought for me
・・↓
⊿父は僕に本を買ってくれた。
Father bought a book for me.
関係代名詞 whichは「ここから直前の名詞(先行詞)の飾りが始まるよ!」という単なる記号ですから、消してしまっても影響はありません。そして、先行詞のa bookを飾りの文の中に戻してやります。a bookはboughtの目的語ですから、boughtの後ろにはめ込みます。もう1つやってみましょう。関係代名詞を消して、先行詞を飾りの文の中に戻してみてください。
⊿僕が話をしたこと
the matter which I talked about
・・↓
⊿僕はそのことについて話をしました。
I talked about the matter.
「について」の訳語が消えてしまってますがあまり気にしないでください。日本語には「前置詞」がありませんからこんなことが起こります。さて、ここで思い出して欲しいのが「前置詞+名詞」のセットです。名詞の前の置く詞(ことば)で「前置詞」なのだから、前置詞と名詞とはとっても仲が良いわけです。そこでこの2つを一緒にして「ここから飾りがはじまるよ」という記号にしてしまったのが「前置詞+関係代名詞」です。「前置詞+関係名詞」については、ここを参照しておいてください。
⊿僕が話をしたこと
the matter which I talked about
=the matter about which I talked
「ここから飾りが始まるよ」の記号は、about whichでもwhichでも、どちらでもOKです。あ、matterには「状況、事柄」と「問題」の2つの意味があって、ここは「問題」の方ですよ。さて、問題文の英語もこれと同じ発想で解決できます。今までとは逆回しで見てみましょう。
⊿その問題に関しては、人々の意見が分かれる。
Opinions might differ about the matter.
the matterを先行詞にして、関係代名詞が導く2語以上の長い飾りで飾ってやるとこうなります。
⊿人々の意見が分かれる問題
the matter which opinions might differ about
the matter about which opinions might differ
aboutをas toに戻してやると問題文の英語になります。
⊿人々の意見が分かれる問題
the matter as to which opinions might differ
最後に、andでもbutでもorでもないのに、なぜかセミコロン(;)も赤字になってますね!これが大きなヒントですよ!
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This was written by
yabu. Posted on
木曜日, 8月 15, 2013, at 8:56 AM. Filed under
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