夏のアブラゼミ 第1日目 「前置詞+名詞」を切り出せ!①
今日からお盆休みの1週間、短期集中で「夏のアブラゼミ」を開講します。では頑張っていきまっしょい!第1日目の今日は、九州大の和訳をやってみましょう。G組の子は授業でやった問題だけど、復習だと思って付き合ってくださいね。制限時間は5分です。
【問題】
In the history of civilization advances in practical invention undoubtedly preceded progress in the theoretical knowledge of the phenomena concerned with such practical invention.
<九州大学>
【解説】
英文を読むときに大切な作業は、「前置詞+名詞」のセットを他の部分から切り出して、それが形容詞なのか副詞なのかを判別することです。特に、九州大学の英文のように、文頭に「前置詞+名詞」が来ていたら先ず間違いなく副詞です。なぜなら、「前置詞+名詞」が形容詞だったら、それは2語以上の長い飾りなわけですから、その直前には飾られる名詞がなくてはいけません。これがETの法則でしたね。忘れた子はここを参照しておいてください。でも、文が「前置詞+名詞」から始まっていたら、飾られる名詞がないわけですから、形容詞には絶対になれないわけです。こんな具合です。
⊿机の上の本は僕のです。=bookを飾る形容詞
A book on the desk is mine.
⊿机の上に本があります。=「ある」を飾って「どこ」にあるのかを説明する副詞
On the desk there is a book.
上のon the deskには、直前に飾られる名詞 book があるので形容詞になれますが、下はOn the deskから文が始まっていて、飾られる名詞がないので、副詞にしかなれないわけです。
もう1つ覚えておくと良いのは、「A of B」のAもBもそれぞれが名詞じゃないといけないこと、そして「A of B」全体も名詞の役割を果たすことです。だから、上の英文のIn <the history> of <civilization advances in ~も、前置詞Inの後ろにA of Bが来ていて、それがセットで「前置詞+名詞」になっているわけです。でもA of Bの<A>はthe historyだと簡単に分かるのですが、<B>がはっきりしません。言い換えると、読み方によっては次の2つの可能性があるわけです。
⊿文明の歴史の中で
in <the history> of <civilization>
⊿文明の進歩の歴史の中で
in <the history> of <civilization advances>
よく分からないときは、先を読んでみましょう。先にはin practical inventionというのが出てきます。これも「前置詞+名詞」ですから、形容詞か副詞です。そして、その先にはundoubtedly preceded(間違いなく先に起こる)という動詞が出てきます。あれ?主語はどこにいってしまったのでしょうかね?文頭副詞が終わったら、次には主語である名詞が出てこなくちゃいけないわけですが、下の読み方では主語がなくなってしまいます。
⊿文明の発展する歴史の中で
In the history of civilization advances
+
⊿実用的な発明の中で
in practical invention
+
⊿間違いなく先に起こる??
undoubtedly preceded
ということは、In the history of civilizationまでが文頭副詞、主語はadvancesで、それを飾っているのがin practical inventionの「前置詞+名詞」だと分かります。
⊿文明の歴史の中で
in the history of civilization
+
⊿実用的な発明の点での進歩は
advances in practical invention
+
⊿間違いなく先に起こる!!
undoubtedly preceded
ね!一口に「前置詞+名詞のセットを他の部分から切り出す」と言っても、そんなに簡単じゃないでしょ!ま、「文明の進歩」はadvancement(s) of civilizationが正しい表現でcivilization advancesなんて言いませんから、下の読み方ではダメだとそのうち分かるようになります。そして、この英語に出てくるadvanceもprogressも「普及」くらいの意味で使われていて、それぞれの「普及」に形容詞の「前置詞+名詞」がくっついている綺麗な構造が見えるようになってくれば大したものです。
⊿実用的な発明が普及すること
advances in practical invention
⊿その論理的な知識が普及すること
progress in the theoretical knowledge
あ、<the theoretical knowledge> of <the phenomena>は一見するとA of Bに見えますが、このofはaboutと同じで「事柄・関連のof」。つまり、of Bだけで「Bについて」とか「Bに関して」の意味。A of Bについて詳しく知りたい子はここを参照しておくこと。それから、concerned with such practical inventionもETの法則でやった過去分詞から始まる2語以上の長い飾りと同じですよ!
⊿英語で書かれた本
a book written in English
【全訳例】
文明の歴史の中で、実用的な発明が普及する方が、その(実用的な発明に関連する)現象につての論理的な知識が普及するよりも、先に起こることは疑いのないことである。
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This was written by
yabu. Posted on
月曜日, 8月 12, 2013, at 1:35 PM. Filed under
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