Skip to content

英語を読むためのルール16・その8

<質問>
期待を裏切ってしまうのは心苦しいのですが、今度は『桐原書店・英文解釈の技術100』ではなくて、2003年度の名古屋大学の下線部訳とその和訳です。
Yet the point about modern digital and genetic technologies, unlike the big science programs of the past, is that our capacity for innovation is highly distributed across thousands of laboratories in universities and companies.  As a result, it is very difficult for governments to control what goes on.  Innovation is putting modern technologies in the hands of users, whether those be personal communicators or genetic testing kits, rather than in the hands of states.  Thanks in large part to global communications and computing power, innovation has become a far more open, distributed and democratic process.
しかし、現代のデジタル技術と遺伝子技術の重要な点は、過去の大きな科学計画と異なり、技術革新を行う我々の能力は、大学や社会の何千もの研究所に十分に分散していると言うことである。その結果、行われていることを政府がコントロールするのは非常に難しくなっている。技術革新によって、現代の科学技術は、それが個人用の通信装置であれ、遺伝子検査用具一式であれ、国家ではなくむしろ利用者の手に委ねられつつある。主に地球規模の通信とコンピュータ処理能力のお陰だが、技術革新は以前よりもはるかに開かれ、広範囲に広まった、民主的な過程となっている。
前回、薮下先生に前置詞を教わってから、「A of B」が気になって仕方ありません。例えば、下線からは外れてるのですが、the big science programs of the pastの「A of B」は7つの用法のうちのどれだか良くわかりません。片端から当てはめてみたのですが、「①過去が計画する」、「②過去を計画する」、「③過去の持つ計画」、「④過去の中の計画」、「⑤過去という計画」、「⑥過去でできた計画」、「⑦計画の過去」と、どれもイマイチでピッタリきません。僕に分かるように説明をお願いします。
<回答>
今枝君!薮下は全然ガッカリはしてませんよ!今度は多分「再度」とか「重ねて」なんかで来ると思っていたのですが、全くガッカリしていませんよ!
さて、ご質問のthe big science programs of the pastですが、このA of Bは所有格のofで「Bの持つA」です。でも、所有や所属を表すofが全部「Bの持つA」にはなりません。他にもこんなのがあります。
労働者の持つ権利(労働者の権利)
the rights of the workers
テーブルにある脚(テーブルの脚)
the legs of the table
日本にいる人口(日本の人口)
the population of Japan
この様に「Bの持つA」以外にも、物なら「BにあるA」、人なら「BにいるA」の表現になります。ご質問のthe big science programs of the pastは人ではなく物ですから「BにあるA」のパターンです。そして、「所有格のof」はどれも「BのA」とやる方がキレイですね。
過去にあった出来事(過去の出来事)
the events of the past
そして、所有格は「A of B」だけじゃなく、中学の時に習った「B‘s A」があるので、それを使って書き換えることもできます。だから「所有格のof」かどうかの確認に使えます。こんな具合です。
労働者の持つ権利
the workers’ rights
日本にいる人口
Japan‘s population
あ、pastは名詞だけじゃなく、「過去の」の意味の形容詞の意味もあるので、わざわざ「’s」を付ける必要はありません。それにtableという名詞は形容詞としても使えるので「’s」は要りません。これはnight gameのnightと同じです。
過去にあった出来事
the past events
テーブルにある脚
the table legs
あ、あ、本当は文法ルールでは、所有格を表すのに、人のには「B’s A」、物には「A of B」を使うことになっているのですが、日常生活に密着した物には「B’s A」を平気で使うようになってきました。だから、workers’ rightとかJapan’s populationとは文法上言えないのですが、みんな普通に使ってます。次回も名大の英語を使って前置詞の勉強をしましょう。

2 Comments

  1. ? wrote:

    ここに質問するには余りにも場違いな気がしますが私は英語が苦手で模試などでいい結果が残せません。長文とアクセント問題がいつもひどいのですがここで質問です。
    ①英語の長文は全部読んだほうがいいですか?余りにも長い文だと読む間に時間が過ぎていってしまうのが心配でいつも最初に和訳をやって次に記号の似た意味の所を探すやり方をやっています。改善したほうがいい所の指摘お願いします。
    ②アクセント問題は感覚でやっていますが何かしらコツはありますか?お願いします。

    水曜日, 2月 27, 2013 at 9:02 PM | Permalink
  2. yabu wrote:

    クエスチョン君!あ、「?君」では変なのでこうしました。何か質問がある場合には、一番先頭のブログにぶら下げるしか方法がないので、君のやり方が正解ですよ!さて、「英語が分かること」と「模試で得点すること」は全くの別物だと考えてください。英語クイズに答えるには、そのクイズの内容をちゃんと分かっていないと、速く正確に答えることはできません。だから、英語が分かっていても点数が取れなかったり、逆に英語なんて分かっていなくても点数がとれたりします。内容がパターン化した資格試験なんかにはその傾向が顕著に表れます。
    さて、ご質問の長文問題とアクセント問題ですが、長文問題の解き方については3月から「マーカ抽出法」の連載を始める予定です。これにしばらく付き合ってくれれば、大分得点しやすくなるはずです。一方、発音・アクセント問題は薄めの問題集を1冊買ってきて、ルールとその対象語そしてその例外とを覚えてしまえば、100点が取れるようになります。これは知ってるか、知らないかの知識問題です。春休みを利用して仕上げてしまってはどうでしょうか。あ、単語も2週間くらいで一通り終われるので挑戦してみてください。
    クエスチョン君!いつでも質問してくださいね。

    木曜日, 2月 28, 2013 at 5:36 AM | Permalink

Post a Comment

Your email is never published nor shared. Required fields are marked *
*
*