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森田君の挑戦(40)

<問題>
1977年度・京都大学・Ⅲ
われわれはレジャーを楽しむために働くのだと言えば、仕事だけの世界に生きる人たちは不道徳きわまることのように聞こえよう。しかし、レジャーこそ人間的自由への門を開くものであり、かえって仕事の世界を成り立たせる基盤ではなかろうか。
<答案>
If I say that we work in order to enjoy leisure time, those who work hard and regard work as their special thing will feel it immoral.  But I think it is leisure that leads people to acquire human liberty and plays a major role in their work.
<読者への挑戦>
赤い部分の英語が間違っています。さて、どうしてそれが間違っているのか、またどうすれば正しい表現になるのかを考えてみてください。
<添削>
森田君!いったい君はどこからこんな古い問題を捜してきたのでしょうかね?それにしても、君の情報収集能力は大したものですね。さて、今日は「仕事だけの世界に生きる」と「人間的自由」の2つの表現を勉強しましょう。
①regard work as their life
森田君は「仕事だけの世界に生きる」を「一生懸命に働いて、仕事を特別なものだと考える」と上手に具体化しましたね。でも、specal thingというのは表現してる意味の幅が広すぎて「仕事だけの世界に生きる」からはちょっとかけ離れてしまいます。ここは「仕事を生き甲斐だと考える」と具体化する方がよいと思われます。
仕事は僕の生き甲斐です。
My work is my life.
この様に「生き甲斐」にはlifeを使います。だから、regard work as their special thingをregard work as their lifeにしてやります。
②freedom と liberty
確かに freedom にも liberty にも「自由」の意味があるのですが、同じ「自由」でもこの2つはちょっと違います。liberty は、人間の持つ権利としての自由のことを言っていて、奴隷状態からの解放なんかのときに使います。だから、イギリスからの独立を記念してフランスから贈られた「自由の女神像」は the Statue of Liberty と呼ばれているのです。一方、freedom は、単に束縛のない状態で、例えば「言論の自由(freedom of speech)」なんかのときに使います。ここでは「レジャーが人間的自由への門を開く」ですから、奴隷状態からの解放ではなくて束縛のない状態の方ですね。だから、human libertyをhuman freedomにしてやります。

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