Skip to content

森田君の挑戦(5)

<問題>
2010年度・京都大学

子供の頃には列車での旅行というのは心躍るものであった。年に一度、夏休みに祖父母の家に行くときには、何時間も列車に乗ると考えただけでわくわくした。今では長距離列車を見ても、子供の頃のように気分が高まることはないが、大きな駅のホームに日本各地に向かうさまざまな列車が並んでいる光景は鮮明に覚えているし、発車の瞬間の独特の高揚感を思い出すこともある。

<答案>

When I was a child, a trip on the train was exciting.  When I went to my grandparent’s house in summer vacation once a year, I was excited because I only thought that I took a train.  Now, I am not so excited as I was a child when I look at a train which runs long distances, but I remember the sight of a large station in which a lot of trains which would go to every place in Japan were and I sometimes recall the excitement of the moment that a train is leaving the station.
<読者への挑戦>
赤い部分の英語が間違っています。さて、どうしてそれが間違っているのか、またどうすれば正しい表現になるのかを考えてみてください。
<添削>
森田君!1つの文の中にin whichとwhichのダブル関係詞を持ってくるなんて、ものすごいサーカスをやってくれましたね!でも、文の美しさなんて採点対象にはならないし、文法的に間違いはないのですから、これで全くOKですよ。さて、今回は「列車に乗る」と「子供の頃のようには興奮しない」の2つの表現を勉強しましょう。
①I took a train
まず、「列車に乗る」に当たる英語は、森田君の使っているtake a trainの他にもget on a trainやride on the trainなどがあります。ここでtake a trainを使うと「交通手段として列車を選ぶ」の意味になってしまって文意に合いません。どうしてかというと、takeの原義が「いくつかある可能性の中から1つを選ぶ」だからです。
あたしはバスではなくて電車で行った。
I took a train, not a bus.
一方、get on a trainは「ホームから列車に乗り移る」の意味です。なぜ「on」なのかというと、飛行機や船でもそうなのですが、昔は乗り物の床は板張りでした。そして、「乗る」ことは人が床に対してonの状態になることなので、get on board a plane とか get on board a ship と言いました。列車も同じで、昔は get on board a train だったのですが、boardが取れてしまって「get on a train」という表現が出来上がりました。「列車の中に乗り込む」の意味合いを強調したければget in a trainと言ってもかまいません。でも、このget on[in] a trainも文意に合わないので使えません。
あたしは、ドアが閉まるすんでのところで、列車に乗った。
I got on the train just before the door closed.
最後に、ride on the trainですが、「電車に乗り込んでから、目的地で列車を降りるまで」のことを指しています。だから、問題文の「列車に乗る」はride on the trainを使います。あ、やっぱり「列車の中に乗っている」感じを出したければride in a trainと、「in」を使ってやります。
列車に乗れると思うとわくわくした。
I was excited to think I would be able to ride on the train.
ですから、赤い部分をI could ride on [in] a trainとしてやります。
②so excited as I was a child
次に、これは一見すると正しい英語のように思えるのですが、正しい比較表現になってはいません。というのも、比較しているのは次の2つですからです。
・I am excited [now].
・I was excited as I was a child.
そして、副詞で「同じくらい」の意味のasを使って、「同じくらい興奮する」を作ります。あ、否定のnotを入れて「同じくらいは興奮してはいない」にします。
僕はそんなに(同じくらい)興奮してはいない
I am not as excited [now]
次に、接続詞で「~と比べると」の意味のasを使って、「子供の頃興奮したのと比べると」を作ります。あ、接続詞asは文と文を結ぶわけですから、文の先頭に置いてやります。あ、2つ目のasはwhenと同じ「時のas」ですよ。
子供の頃、興奮したのと比べると
as I was excited as I was a child
この2つをひっつけるとこうなります。
子供の頃興奮したのと比べると、僕はそんなに興奮はしない。
I am not as excited as I was excited as I was a child.
そして、excitedがカブっているので省略します。さらに、接続詞の後ろのA=Bの「A=」は省略可能ですから、I wasも省略します。あ、この省略表現を忘れた子はここを参照しておいてください。また、否定のnotの後ろのasはsoにもできるので、asが3つ続くのを避けられます。そうすると、結局はこうなります。
子供の頃興奮したのと比べると、僕はそんなに興奮はしない。
I am not so excited as I was excited as I was a child.
ですから、赤い部分をI am no so excited as I was as a childとしてやります。

4 Comments

  1. 挑戦者 wrote:

    精読の方は載せないんですか?

    土曜日, 10月 6, 2012 at 8:56 PM | Permalink
  2. yabu wrote:

    挑戦者君!?えっと、もしかして君は森田君ですか?そして、「精読」というのは、京都大学の下線部訳の方は載せないのかということ?

    土曜日, 10月 6, 2012 at 9:03 PM | Permalink
  3. 挑戦者 wrote:

    そういうことです

    土曜日, 10月 6, 2012 at 9:33 PM | Permalink
  4. yabu wrote:

    ははは!森田君は「薮研」なんかみなくてもいいのですよ!そんな暇があったら京都大学の問題を解いてなさい!!

    土曜日, 10月 6, 2012 at 10:25 PM | Permalink

Post a Comment

Your email is never published nor shared. Required fields are marked *
*
*