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森田君の挑戦(3)

<問題>
2011年度・京都大学
「楽しいはずの海外旅行にもトラブルはつきものだ。たとえば、悪天候や自然災害によって飛行機が欠航し、海外で滞在を延ばさなければならないことはさほど珍しいことではない。いかなる場合でも重要なのは、冷静に状況を判断し、当該地域についての知識や情報、さらに外国語運用能力を駆使しながら、目の前の問題を解決しようとする態度である」

<答案>

  You cannot avoid having trouble even if you hope to have a good time in a travel abroad.  For example, sometimes you have to extend a stay in abroad because the airplanes cannot fly because of bad weather or a natural disaster.  Whenever you travel, calm judgement and an attitude that you try to resolve a problem with knowledge and information about a country in which you travel and with the capacity of language are important.
<読者への挑戦>
赤い部分の英語が間違っています。さて、どうしてそれが間違っているのか、またどうすれば正しい表現になるのかを考えてみてください。

<添削>

「楽しいはずの海外旅行」、「外国語運用能力」、「~しようとする態度」など、そのままでは英語にしにくい表現がたくさん出てきますが、森田君はなかなか健闘していると思いますよ。
①a stay in abroad
これはcareless mistakeですね。abroadは副詞ですから、stay abroadにしてやります。前置詞の後ろには名詞が来ないといけませんよね。
②an attitude that you try to resolve a problem
attitudeが同格のthatを取るかどうかって普通はよく分かりませんよね。英作文の鉄則は「よく分からない表現は絶対に使わない」ことです。だから、attitude that~は避けるべきです(現代米語ではattitude that~を認めている辞書もあるにはあるのですがね)。
「目の前の問題を解決しようという態度」と言えるので、これは「BというA」の同格パターンだから大丈夫だと思ってしまうのですが、実際にはダメなのですよ!例えばこんな具合です。
少量のアルコールなら身体に良いという証拠
some evidence that a little alcohol is good for health
一見すると、正しい同格文に見えますよね。でも、実際には「証拠」なんて何かの物品や数値データのはずで、「少量のアルコールが身体に良いこと」と同格のはずはありません。正しくは、「少量のアルコールが身体に良いことを裏付ける証拠」です。
少量のアルコールなら身体に良いことを裏付ける証拠
some evidence to support the contention that a little alcohol is good for health
「態度」についても同じ事が言えます。つまり、「態度」とは言葉や動作などに現れる姿勢であって、「目の前の問題を解決しようとすること」という動作なんかじゃありません。正しくは、「目の前の問題を解決しようとしてることを示す態度」なわけです。だから、次の様にしてやります。
目の前の問題を解決しようとしていることを示す態度
an attitude to suggest [to the people involved] that you try to resolve a problem
この様に、同格のthatは制約が多くて使い勝手がものすごく悪いのですが、同格のA of Bingは大体何にでも使えます。こんな具合です。
目の前の問題を解決しようとする態度
an attitude of trying to resolve a problem
もう1つの方法として、名詞表現を使わないことです。つまり、主語を名詞表現の「calm judgement」にするから、「attitude」を持ち出さなくてはな成らなくなってしまうのです。
冷静な判断と、目の前の問題を解決しようとする態度とが重要だ。
Calm judgement and an attitude to suggest that you try to resolve a problem are important.
そうではなくて、動詞表現を使えば「態度」なんて英訳しなくても済んじゃいます。
⊿冷静に判断することと、目の前の問題を解決しようとすることが重要だ。
To judge calmly and try to resolve a problem are important.
③the capacity of language
capacityは「受け入れたり処理したりできる潜在的な能力」、capabilityは「目的を達成するために必要な能力」くらいの意味です。だからthe capacity for languageとすると、人が生まれながらに持っている「言語習得能力」になってしまいます。
人には言語習得能力があるが、動物にはない。
Men has the capacity for language, but animals do not.
ですから、ここではcapabilityを使ってこうしてやります。
the capability of speaking the language
あ、countryにはin which you travelという飾りがついているので、「飾り予告のthe」を付けてthe country in which you travelとしてやります。

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