⑥前置詞+動名詞
■うちの猫は音楽に合わせて上手に踊る。(前置詞の目的語)
My cat is good at dancing to the music.
「前置詞+動名詞」はお馴染みですね。前置詞とは「名詞の前に置く詞(ことば)」だから、前置詞の後ろには名詞が来ます。
▼放課後
after school
このschoolは「学校」ではなく「授業」です。だから「授業の後で」が原義。でも、「お風呂に入った後で」と言いたいときには「take a bath(風呂に入る)」という動詞をafterの後に続けることはできません。そこで、動詞を名詞化して動名詞にするわけです。
▼お風呂に入った後で
after taking a bath
さて、【読み方】ですが、「前置詞+名詞」は切り出して、他の部分から浮き立たせるのがルールでしたね。だから、「前置詞+名詞」をスラッシュ(/)で囲んでしまうと良いでしょう。そうすれば「文中の-ing」を読み誤ることはありませんよ!
My cat is good / at dancing // to the music.
⑦ETの法則
■その沸騰しているお湯は危険ですよ。(現在分詞-1語)
The boiling water is dangerous.
■その鍋の中で沸騰しているお湯は危険ですよ。(現在分詞-2語以上)
The water boiling in the kettle is dangerous.
飾りがboiling1語の場合はwaterの前に、2語以上になったらwaterの後ろに回ります。頭でっかちの長い主語や飾り(形容詞)は文を不安定にするので、後ろに回して文を安定させるのでしたね。これを「ETの法則」と呼んでいます。「英語の読み方」の第7回、第8回でも扱いました。忘れた子は読み直しておいてください。あ、同じ意味を持つ形容詞を強調のために2つ並べて使う場合には、2語以上の飾りが名詞の前に付くことがあります。こんな具合です。
▼彼の頭は白髪が増えてだんだん薄くなっていっている。
He has graying, [and] thinning hair.
さて、【読み方】ですが、飾りが1語だけの場合は特別にスラッシュを書き入れる必要はないでしょう。それよりも、「冠詞a、an、theが出てきたら、セットの名詞を探せ」の方が大切なルールですね。つまり、the-waterがセットになっていて、真ん中に挟まった部分は形容詞だと分かるわけです。でも、飾りが2語以上の場合は、-ingの左側にスラッシュを入れて、それが「名詞」なのか「形容詞」なのか、「副詞」なのかを考えなくてはなりません。
The water / boilingin the kettle is dangerous.
そして、それが2語以上の長い形容詞だと分かったら、飾りの終わりにもスラッシュを入れ、飾られる名詞に向かって矢印を書きます。こんな具合です。
The water ←/ boiling in the kettle // is dangerous.
⑧その他
■長い時間僕は君を店で待たせてしまった。(SVOC=現在分詞)
I kept you waiting so long in the shop.
■僕は長い時間自分の犬を店の外で待たせておいた。
I left my dog waiting so long outside the shop.
あ、これは「文中の-ing・その1」の「③形容詞になる」の書き忘れです。特定の動詞とセットになっている-ingの仲間です。「AをBのままにしておく」の意味で、意識的にその状態を保つ場合にはkeep、放っておく場合にはleaveを使います。
さて、「文中の-ing」はこれでお終いです。連休の中日の授業では、この「文頭の-ing」「文中の-ing」「文末の-ing」のテストをやります。これを見た子は、見てない子に教えてあげてくださいね。解答・解説はテスト終了後「薮研」に載せますのでお楽しみに。
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4 Comments
「前置詞+動名詞」はお馴染みですね。前置詞とは「名詞の前に置く詞(ことば)」だから、前置詞の後ろには名詞が来ます。
前置詞の後ろに必ず名詞が来るという規則はないと思います
多分君は、この2つを区別していないのではないでしょうか?
⊿どうぞ中へお入りください。
Please come in.
⊿団体でやっきた。
They came in group.
例文には両方ともinが含まれていますが、前者は自動詞comeとつながっているので「副詞のin」、後者は名詞groupsとつながっているので「前置詞のin」の様に区別します。君は多分前者のことを引き合いに出して「後ろに必ずしも名詞がくるという規則はない」と言ってませんか?
ラテン文法以来、前置詞や後置詞という分類は、名詞の前に来るか後に来るかを言ってます。「前置詞」という言葉自体がそう言う意味なのですよ。
お答えありがとうございます
言いたい事は違います
from behind~だったり、
for laterだったり、
It’s for here.だったり
hereは辞書には名詞とは載っていないので副詞ですよね?
前置詞は二つ重なることもあるし後ろに副詞らしきものを伴うこともあります 何らかの省略が行われていたり、慣用的なものだったりするのかもしれませんが
時や条件を表す副詞節の中では未来の事でも現在形を使うという語られてきた規則がほんとは存在しないように、
前置詞の後ろに必ず名詞が来るという完全な規則はないと思っています
もともとの前置詞の意味が、おっしゃる通りなのは知っています
CHIさんでしたか!とても失礼な物言いをしてしまい、ごめんなさい。最近、「薮研」にケンカを売ってくる輩がとても多くて、まったく勘違いをしておりました。
2重前置詞は仰るとおり省略表現がベースになっています。
⊿その場面を見ると、人は食傷気味になる。
The scene takes away from 人’s appetite.
これはtake away人(人を連れ去る)とfrom 人’s appetite(食欲のある状態から)とが合わさって出来ていて、人が2回出てくるので最初の「人」を省略してaway fromという2重前置詞になったと考えられます。ですから、前置詞の後ろには基本的に名詞があるか、またはそれが省略されているかのどちらかです。
そしてlaterやhereは名詞化されるんですよね。これは言葉がルール通りには行かない好例でしょう。つまり、皆がそう言っちゃってるから定着したわけですね。from bad to worseなんかは、形容詞が名詞化してしまってます。言葉の世界では、ルールなんてあってないようなものです。
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