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【英語の読み方 7】「ETの法則」その1

【英語の読み方2】や【講義ノート50】でも説明したのですが、もう1度ここで「ETの法則」について簡単に触れておきます。90年代にETという映画があって、ストーリーは、少年エリオットが地球に取り残されたET(The Extra Terrestrial=地球外生物)と仲良くなるSFファンタジー。このET君、頭でっかちの逆三角形の体型をしているので重心が高くて、ものすごく安定性が悪いわけです。逆に、お相撲さんのような三角形の体型は重心が低く、とっても安定していますね。
1.2語以上の長い形容詞
■大きな帽子
a big hat
■僕には大きすぎる帽子
a hat too big for me
安定性という意味では英語も同じで、頭デッカチの英文は不安定で嫌われます。だから、名詞 hat につく飾りが big 1語だけならその前でも良いのですが、2語以上の長い飾り too big for me になると、名詞hatの後ろに回します。そうすることによって、お尻がデカいお相撲さん型の安定した英語になるわけです。これを「ETの法則」と呼びます。あ、薮下が勝手にそう呼んでます。
一方、日本語はどうかというと、どんなに長い飾りも必ず名詞の前につきます。そこで、日本語は最後まで読まないと何の事を言っているのか分からないわけです。だから、こんな落語のネタにもなります。
熊さん   「昨日、銭湯で石けんに足を滑らせて、風呂の角で頭を打って、救急車で運ばれた・・・」
八っつあん「おい、そりゃあ大変だったな!」
熊さん   「・・・運ばれたおじさんがいた」
八っつあん「なんだよ、よそのおじさんの話かい!?」
さて、名詞を飾る飾りが1語の場合は名詞の前に来るのが普通です。でも、飾りが1語だけでも名詞の後ろに回る場合もあります。
■面白そうな人(-thing、-body 飾る時)
somebody interesting
■手に入れられる最新情報(-able 飾る時)
the latest information available
■出席者全員(慣用表現)
all the people present
例文の飾りはどれも見た目には1語なのですが、実はもともと2語以上の長い飾りが付いていて、それが省略されて1語だけになりました。こんな具合でした。
▼話をすれば面白そうな人
somebody who is interesting to talk to
▼今の段階で手に入れられる最新情報
the latest information which is available under the circumstances
▼この会議の出席者全員
all the people who were present at the meeting
本当は2語以上の長い飾りだったので名詞の後ろにあったのですが、青い部分が脱落して1語だけになっても、名詞の後ろにしがみついているわけですね。ま、理屈はともかく「1語だけでも後置修飾」と覚えておいてください。
2.形式主語や形式目的語
■1日でこの本を読んでしまうのは難しい。
To read this book in a day is difficult.
It is difficult to read this book in a day.
長い「主語Itに置き換えて、その長い主語を後ろに回すのも、文のお尻をデカくして文を安定させるためです。
■僕は1日でこの本を読んでしまうことが難しいと思う。
I think to read this book in a day difficult.
→I think it difficult to read this book in a day.
O+C(何を+どの様に)の「O(何を)」が長い場合でも同じ事が起こります。「O」が長いのは、カエルを丸呑みしたヘビのようなもので、お腹がデカくてもお尻は小さいわけだから、やっぱり不安定なんです。だから、長い「何を」もitに置き換えて後ろに回してしまいます。

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