<質問>
すみません初投稿です。一回コメントしてみたかっただけな感バリバリな上、質問場所を間違えている気がしてなりませんが、一つお聞きしたいです。
とある参考書で「notの作用範囲」という項がサラっと載っていたのですが、
例文;
1.He did not [come home] because it was raining.
2.He did not [come home because it was raining].
こんな感じです。何が言いたいか、というと・・・
1:彼は雨が降っていたから帰ってこなかった。
2:彼が帰って来たのは雨が降っていたからではない。
と、こんな感じに意味の取り方が変わる、と。で、見分けは文意で判断しなさい、と言われました・・・。
ニッポンのJUKEN英語はリクツでセツメイデキルノデスヨネ・・・?これってなんとかなりませんか?
P.S.
そういえば時たま見かける誤植ですが・・・報告した方がいいですか?
<回答>
JOHN SMITH君!祝初投稿ですよ。それに、君のは究極の質問ですね!というのは、君の質問の前提条件となっている 「日本の受験英語は理屈で説明できる」というのがとっても素敵です。これは「受験英語には一意的な解が存在しないと選抜クイズにならないのだから、当該問題の解の正当性が論理的に説明できないといけない」と読み替えられます。この前提条件が満たされないと、解が複数個あることになり、あれも正解、これも正解じゃあ受験クイズは成立しないもんね。だから、お察しの通り、物理の世界にあるような摩擦係数ゼロの理想的状況を、受験英語の世界にも作り出す必要があるのですが、これはほぼ失敗しています。!
まず、ご質問の例文ですが、言葉が生で使用されている現実の世界では、この2つを区別するのはブリブリ簡単なのですよ。だって、赤色の部分を強調して発話しさえすれば、notが何を否定しているのかは一目瞭然(一耳瞭然?)なのです!
1.He did not come home because it was raining.
2.He did not come home because it was raining.
でもそれを、この例文だけで、しかも紙の上で判断するのは不可能です。物語の文脈で判断しろといいますが、どんでん返しが仕込まれたサスペンスなんかじゃあ、どちらとも判断できない。だから、この様な曖昧な文章は結局は避けるべき「悪文」なのです!薮下は嫁さんと2人で30年近く翻訳業をやってますが、翻訳の仕事の大切な作業の1つが、訳文から曖昧性を排除することです。言い換えると、どちらでも解釈できるような悪文を書かないことなのですよ。上の例文も、はじめからこう書くべきなのです。
1.Because it was raining, he didn’t come home.
2.He came home not because it was raining but because he just wanted to.
ま、以前に比べると「複数解あり」の問題は減ってます。というのは「謎解き」よりも「実用性」を重視し始めたせいでしょうね。言い換えると、平易な英文をたくさん読ませて、そこに書かれてある情報を素早く的確に処理できるかに重心が移動してきてます。だから、謎解き系の「notの作用範囲」を出題する大学なんてありませんよ!
あ、JOHN SMITH君!薮下は猛烈な勢いで書きまくっているせいで、たくさんの「誤植(変換ミス)」がある様子です。もし気がついたら、是非薮下に教えてください。よろしくお願いしますね!
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