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キュウべえ君からの質問

<質問>
初めて質問させて頂きます。
パスポート英作文というテキストの問題の文章の中で、「良好な健康状態」と「戦争の悲惨さ」というワードが有ったのですが、授業ではそれぞれa good health、cruelty of warであると教わりました。何故「良好な健康状態」には冠詞が付いて「戦争の悲惨さ」には冠詞(ofで限定されていますからtheかな?)が付かないんでしょうか?
そもそも、冠詞の使い分けと言う事自体が正直な所私にはよく分かっておりません。
今まで他の先生方にもお聞きしたのですがよく分かりませんでした。
どうかご教授お願いします。
<回答>
キュウべえ君!どうやれば、君の名前の中の「え」が小さくなるのでしょうね?あ、どうでも良いことでした!さて、君の質問ですが、「いい調子(good health)!」が1つ、2つ・・・とは数えません。ですから、good healthにaは付きません。多分、good healthの後ろに何か名詞がありませんでしたか?例えば、「良好な結果だった健康診断書」ならa good health reportとなります。これは、「a good health」ではなくて「a report」なのです。つまり診断書は1枚、2枚と数えられますよね。でも「良い調子!」は1つ、2つと数えられません。もう一度、教科書の英語を確かめてみてください。
一方、「cruelty of war」にtheが付いていないのは、どこか特定の場所の「戦争の悲惨さ」ではなくて、世界中の戦地のどこででも見られる「戦争の悲惨さ」だからです。もし、今戦闘状態にあるリビアのことを言いたいのならば、the cruelty of war in Libyaとなりtheが必要です。このthe「特定のthe」と言います。
■リビアでの戦争の悲惨さ
the cruelty of war in Libya
日本語には冠詞がありません。だから、僕ら日本人が冠詞なんて良く分かるはずがないのです!でも、冠詞を理解する上で、面白いエピソードがあるので紹介しておきます。アメリカ人が「日本人は親切だ」と聞くと、ものすごく戸惑うそうです。どう戸惑うかと言うと、「僕の知っている日本人が親切」なのか「日本人は皆、親切」なのか分からないというわけです。面白いでしょ!僕ら日本人はこれを直感で区別しているのでしょうね。それを、アメリカ人はtheで区別するわけです。だから彼らは冠詞のない日本語に戸惑うわけです。英語にしてみましょう。
■僕の知ってる日本人は親切だ。
A Japanese person I know is kind.
■日本人は親切だ。
The Japanese [people] are kind.
ほらね!今度のtheは「民族のthe」と言います。あ、薮下が勝手に言っているだけです。aやtheの付いていないJapaneseは絶対に形容詞にしかなりません。Japanese animation(日本のアニメ)なんかがそうです。だから、Japanese is kindとは言わない!これって、あまり学校では教えてくれないことだよね。だって、辞書を引いても「(名)Japanese=日本人、日本語」って書いているだけなんだから、「日本人は親切だ」をJapanese is kindとやってどうして悪いのか分からない!じゃあ、これはどうでしょう!?
■僕の知っている唯一の日本人は親切だ。
The Japanese person I know is kind.
このtheを「唯一絶対のthe」と言います。日本人の知り合いが何人かいる場合と、1人しかいない場合とでは表現方法が違うわけです。さて、キュウべえ君の質問ですが、「日本語には冠詞がないので、日本人である僕らには冠詞なんて良く分かるはずがない」ではあまりにも無責任ですよね。でも、今まで書いたtheを並べてみるだけで、ちょっと分かったような気分にはなると思いませんか?
・「特定のthe」
・「民族・人種のthe」
・「唯一・絶対のthe」
ここここでもtheについて説明していますので読んでみてください。冠詞のない日本語にドップリと首までつかって生活している僕らは、theが出てくる度に、これは「~のthe」と確認しながら、冠詞に自分を慣らして行くしかない、というのが薮下の考えです。ちなみに、国立大学2次試験の英作文で皆が大体減点されるのが「冠詞」と「単複」です。皆が間違えるのですから、そんなに点差は付きません!あまり気にせずどんどん英語を書くことが大切です。あ、ちなみにcruelty of warのofは「Bの持つA」で「所有格のof」です。飾り予告のtheとセットになるのは、「同格のof」の方ですよ!

6 Comments

  1. キュウべぇ wrote:

    はい、丁寧なお返事ありがとうございます。
    私の名前の「え」を「ぇ」と入力されたいのでありましたら、「x」キーを押した後に「e」キーを押す事で「ぇ」と入力する事が出来ます。
    これは他の「ぁ」や「ゎ」にも応用出来るので覚えておいて損はありませんよ!
    青春時代打ち込んだ物がキーボードである私にとって、この程度の質問ならば雑作も無くお答え申し上げる事が出来るのでまた分からない事が御座いましたらいつでも聞いて下さいね。
    そろそろ本題に入りますと先ず私には薮下老師(最近私は中文字幕の映画やアニメを見るのが趣味なのですが、あちらでは「先生」の事を男女問わず「老師」と記すんですね。ですから俗に『萌えアニメ』と呼ばれるアニメの女性教師キャラクタに対してであっても「老師、老師」と字幕が付くのでとてもシュールです。)に五体投地で謝罪しなければならない事が御座います。
    老師の解説を読んだ後に改めてテキストを確認してみました所、
    健康のおかげで彼は毎日よく働く事が出来ます。
    Good health enables him to work hard every day.
    これらの写真を見れば、戦争の悲惨さが分かるだろう。
    These pictures will show you the cruelty of war.
    ……何と言うことでしょう。
    私は先の質問文に於いて
    『パスポート英作文というテキストの問題の文章の中で、「良好な健康状態」と「戦争の悲惨さ」というワードが有ったのですが、授業ではそれぞれa good health、cruelty of warであると教わりました。』と書きましたがこれは前提が間違っていたのです!!
    正しくは
    『パスポート英作文というテキストの問題の文章の中で、「良好な健康状態」と「戦争の悲惨さ」というワードが有ったのですが、授業ではそれぞれgood health、the cruelty of warであると教わりました。何故「戦争の悲惨さ」には冠詞が付いて「良好な健康」には冠詞が付かないんでしょうか?』
    と質問するべきだったのです!
    こういう埋め合わせ不可能な過ちを犯した時言うべき言葉を、私がいつも趣味で見ている韓国の宮廷ドラマで使われる慣用句を引用するならば
    『私を死罪にして下さい』(こう言うと九割方死罪にされない)
    です。
    まぁ結果的には実りある(“正しい質問文”の解答にもなる)御返事を頂けたので良いのかもしれませんが、申し訳ありませんでした。
    この場合のGoog healthは特定される物ではないので、theが付かないという事でよろしいんですよね?
    P.S.『theの用法(構文012)その1、その2』拝読させて頂きました!
    老師の仰るように『冠詞』の感覚が無い我々はそれが出て来るたびに立ち止まって考えてみる必要が有るのですね。精進します。
    P.S.S.今回私は老師のスタイルを見習って脱線多めの文章を書きましたが、鬱陶しければ次から自重致しますので何なりとお申し付け下さいね。

    木曜日, 3月 24, 2011 at 5:43 PM | Permalink
  2. yabu wrote:

    ハハハ!キュウべぇ君。愛してますよ!また質問してくださいね。待ってます。

    木曜日, 3月 24, 2011 at 7:54 PM | Permalink
  3. 08年度卒業生 wrote:

    ちなみに「l」+「e」=「ぇ」でもできます.
    「l」←これエル「L」の小文字です.
    どうでも良い情報失礼いたしました.

    金曜日, 3月 25, 2011 at 12:37 AM | Permalink
  4. yabu wrote:

    とてもおもしろいですね!こんなことができるなんて知りませんでした。分からないことがあったらまた質問します。

    金曜日, 3月 25, 2011 at 5:27 AM | Permalink
  5. キュウべぇ wrote:

    ネクステージの問題でどうしても合点がいかない所が有ったので御聞きします。
    162:The driver kept the engine ( ) while we waited.
    1.run 2.to run 3.running 4.ran
    163:I cannot keep my eyes ( ) to his terrible situation.
    1.to close 2.close 3.closing 4.closed
    これは目的格補語となる分詞が目的語との関係によって現在分詞になったり過去分詞になったりするのを問う定番の問題だと思うのですが、その区別がどうもよく分からないのです。
    ここで2つの問題の分詞と目的語の関係を整理してみましょう。
    162:エンジン←かかっている
    163:目←閉じている
    こう考えますと答えは162は3,163は3となります。
    しかし実際にはそうではありません。
    163の答えは4なのです。
    つまり、
    目←閉じられている
    というわけですね。
    しかしこれはどうも妙です。
    そうなると何故
    エンジン←かけられている
    ではいけないのでしょうか?
    御答え下さい。

    土曜日, 3月 26, 2011 at 3:19 PM | Permalink
  6. yabu wrote:

    キュウべぇ君がいう通り『目的格補語となる分詞が、目的語との関係によって現在分詞になったり過去分詞になったりする』のですが、日本語で考えても上手く行きませんよ。そもそも「目=閉じられている」、「エンジン=かけられている」の発想が間違っています。
    農耕民族である日本人は、周りの自然を思い通りにコントロールするのは不可能だと分かってますから、自分以外のことやものは「自然にそうなる」と発想します。一方、自然を支配していると思わないとやってられない狩猟民族である欧米人は、モノは人によってコントロールされるものだと発想します。だから「人はする、モノは人によってされる」が欧米人の考え方の根本にあるのです。当然、彼らは人間の体もモノだと考えるので、「人は目を閉じる」、「目は人によって閉じられる」と発想します。これには例外があって、「させる系の他動詞」と呼ばれているモノ(あ、藪下が勝手にそう呼んでます)がそれに当たりますが、これは別のところで説明します。
    さて、「人はする、モノは人によってされる」のですが、さすがの欧米人にも自分では絶対にコントロールできないモノがあります。例えば心臓。心臓を自由にコントロールできる人はいませんよね。好きなときに動かして、嫌になったら止めるなんてことは不可能です。つまり「人は心臓を動かす、心臓は人によって動かされる」とはならない。心臓は勝手に自分で動いてます。だから、こういうのは自動詞で表現します。
    ■あたしの心臓は力強く(勝手に)鼓動している。
    My heart is beating strongly.(◎)
    ■あたしは心臓を力強く動かしている。私の心臓は私によって力強く動かされている。
    I am beating my heart strongly.(×)
    My heart is being beaten by me.(×)
    さて、問題162です。キュウべぇ君は「僕はエンジンをかける、エンジンは僕によってかけられる」と書いてますね。確かにエンジンをスタートさせる場合には君のいうとおりです。
    ■僕はエンジンをかける、エンジンは僕によってかけられる。
    I start the engine, and the engine is started by me.
    でも、問題162の選択肢を見てください。startなんてありませんよね。あるのは自動詞runです。自動詞runは「機械が勝手に動く」の意味です。ですから、さっきやった心臓と同じ発想なわけです。
    ■車のエンジンはちゃんと動いている。
    The car engine is running smoothly.
    ほらね!心臓と同じでしょ!車のエンジンをかけたり止めたりするのは人間ですが、その後はエンジンが勝手に動いているわけです。だから「機械が動作する」や「エンジンが動く」は自動詞なのです。
    □162「エンジン←勝手に動いている
    □163「目←人によって閉じられる」
    この発想はSVOCの「OC」関係だけではなく、付帯状況のwithの「OC」関係でも出てきます。ちゃんと覚えておいてくださいね!

    日曜日, 3月 27, 2011 at 7:33 AM | Permalink

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