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theの用法(構文012)その2

皆がよく知っていて、「あの~」「その~」と言えば同じ映像が皆の頭に浮かぶモノにtheが付きました。さて、今日最初にやるのは「唯一絶対のthe」です。つまり、1つしか無かったり(唯一)、他の追随を許さななかったり(絶対)するものに付くtheです。1つしかないわけですから簡単に頭に絵が浮かびます。
■太陽、月、地球、宇宙、空
the sun, the moon, the earth, the universe, the sky
■彼はこの手品ができる唯一の人間だ。
He is the only person who can do this trick.
太陽や月、地球は世界に1つしかないモノです。「only(ただ1つの)」「last(最後の・決してしない)」「same(同じ)」「very(まさにその)」が名詞を飾っている場合も1つ(1人)に限定されますね。最上級表現に用いられるtheも同じで、一番走るのが速い「あの人」や一番背の高い「その建物」と言えば1つに特定されます。
■彼は3人の中で一番背が高い。
He is the tallest of the three.
■彼は3人の中で一番速く走る。
He runs the fastest of the three.
theは冠詞だから、後ろに名詞が来ないのは気持ちが悪いという子は、こうすればよいのです。
・He is the tallest boy of the three.
ほらね!名詞boyを補ってやると、ちゃんと冠詞(名詞がかぶる帽子)になってるでしょ。でも、次のはいけません。
・He runs the fastest boy of the three.(×)
fastは「速く」の意味の副詞です。それが最上級になってfastest。その後ろに名詞boyは来ません。だって「一番速く少年」って意味不明です。名詞を飾るのは形容詞で、副詞は名詞を飾れません。だから副詞の最上級にはtheが付かない場合があるのです。本当はつけちゃいけないんですね。
・He runs fastest of the three.(◎)
・He runs the fastest of the three.(○)
さて、次のtheは「飾り予告のthe」です。以前授業でやった「親切シリーズ」を思い出してください。こんなやつです。
■彼は親切にも僕に道を教えてくれた。
You had the kindness to show me the way.
the kindnessのtheを「飾り予告のthe」と言います。先ず「あなたはそんな親切さを持っている」と言っておいてから、これだけではどんな親切さか分からないので、不定詞の飾りto show me the wayをその後ろに付けて「僕に道を教えてくれるほどの親切さ」と説明してやるわけです。つまり、theが付いているから、名詞の後ろに飾りがあると分かるわり、安心して先が読めるわけです。これが「飾り予告のthe」です。次の英文にも「飾り予告の the」が出てきます。
■彼には欠点があるので、それだけますます彼が好きだ。
I like him all the better for his faults.
I like him all the better because he has faults.
ここでは「あの~」「その~」が「あれだけ」「それだけ」になったと考えてください。つまり、どれだけ好きなのかを説明して「あの程度」「その程度」と言っているわけです。
↓I like him very much.あたしは彼がとっても好きだ。
↓I like him better.あたしは彼がもっと好きだ。
(この英語は△。I like him better than Kenji.だったらマル)
↓I like him the better for his faults.彼には欠点があるので、その分もっと彼が好きだ。
forやbecauseは理由を表していますね。allは「the+比較級」を強調することができますが、訳さなくてもOKです。
さて、次の英文のtheはどうでしょう。
■高く登れば登るほど、空気はますます冷たくなる。
The higher we go up, the cooler the air becomes.
the higherで「それだけ高くなる」、どれだけかというと「僕らが登る分だけ」。the coolerで「それだけ寒くなる」、どれだけかというと「僕らが高く登る分だけ」。これって、さっき見てきた「飾り予告のthe」ですよね。ちょっと違うのは、後ろのthe coolerが前のthe higherを受けていることくらいです。「その~」「あの~」という基本的意味から出てきた用法には違いありません。でも、この表現はことわざや決まり文句に出てくるものです。だから、このtheのことをあまり深くは考えずに、「The+比較級SV~, the+比較級SV・・・.」の形で覚えておくのが良いでしょう。

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