【英語の読み方 8】「ETの法則」その2
3.倒置(S+V+C+O)
▼彼は自分が言いたいことを、人に分かってもらえなかった。
He couldn’t make himself understood.
このmake oneself understoodという表現のポイントは、oneselfが「人」ではなくて「自分自身が言いたいこと」の意味の「モノ」だというところです。だから、薮下がいつも言う「モノは人によってされる」のルールが当てはまって、過去分詞understoodになるのでしたね!makeは「する・させる」だから、この表現は「する・させる+自分が言いたいことを(何を)+理解されるように(どの様に)」のS+V+O+Cの語順です。さて、それでは例文の「自分が言いたいこと」に当たるhimselfを、「自分が考えていたこと」の意味のwhat he was thinking aboutに替えてみましょう。himselfがwhat he was thinking aboutに替わったということは、「O(何を)」が長くなるわけですよ!
■彼は自分が考えていたことを、人に分かってもらえなかった。
He couldn’t make what he was thinking about understood.
「O(何を)」が長くなったと言うことは、この英文も前にやった「形式目的語」と同じで、カエルを丸呑みにしたヘビの様な体型をしているわけです。お尻もunderstood 1語だけでとても小さい!だからこの英文もとても安定性が悪いんです!そこで、「形式目的語」の時と同じ様に「O(何を)」を一番後ろに回します。すると「SVCO」というへんてこりんな語順になるのですが、文はとても安定するんです。
He couldn’t make understood what he was thinking about.
じゃあ、なぜ「形式目的語」の時と同じ様に、長い「O(何を)」をitに置き換えないのかというと、形式主語や形式目的語になれるものは「ことシリーズ」だけだからです。what he was thinking about は「こと・ものwhat」の関係代名詞で、「ことシリーズ」じゃなかったでしょ!あ、「ことシリーズ」についてはココを参照してみてください。そして、この「ことシリーズ」は【英語の読み方】にも登場します。もうちょっと待っていてくださいね。
4.句動詞の目的語が代名詞化する場合
■彼女は自分のコートを着た。
She put on her coat.
put onは動詞putと副詞onの2つがセットになって1つの「着る」という意味を表してくれます。2語が群れをなしているので「群動詞」と呼んだり、2語がセットになって1つの意味を持ったのが「句」なので「句動詞」と呼んだりします。目的語の「O(何を)」はher coatで、これはちゃんとした名詞です。今からこれを代名詞に代えてみます。こんな具合です。
■彼女は自分のコートを引っ張り出して、それを身につけた。
She took out her coat and put it on.(◎)
her coatが代名詞化して it になった途端、putとonの間に割り込んだのが分かりますか?どうしてこんなことが起こるのかというと、次の英文を見れば分かります。
She took out her coat and put on it.(×)
文末が代名詞の it だということは、お尻がものすごく小さいわけです。だから、相対的に頭でっかちのET型の英文になってしまい安定性がすごく悪い。そこで、putとonの間にitをサンドイッチにしてやって「put it on」という大きな塊(かたまり)を作ります。すると、お尻がでかくなって文が安定するってわけです。これも「ETの法則」なんですよ!あ、お尻はデカければデカいほど良いわけですから、次の英文も当然OKです。
■彼女は自分のコートを着た。
She put her coat on.
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This was written by
yabu. Posted on
水曜日, 2月 29, 2012, at 12:56 PM. Filed under
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2 Comments
He couldn’t make himself understood.
これってお尻にby other peopleが省略されていると思うのですが、くどい、言わなくても分かるだろ、という理由で省略されているんでしょうか?
この英文はhimself自体が「彼の言いたいこと」の意味の「モノ」なので、OCが「モノは人によってされる」の関係になるためにunderstoodになっているわけです。ですから、この文自体が受け身ではなくて能動態なので、by other peopleは不要です。
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