【講義ノート84】主語が違っていたら残しておく!
■月曜だったので、その散髪屋は閉まっていた。
It being Monday, the barber shop was closed.
省略技法である分詞構文が使えるのは、文が「安定」しているからです。言い換えると、省略後に元々そこに何があったのかがちゃんと分かる場合です。だから、省略しようとしてる副詞節の主語と、言いたい文である主節の主語が2つとも同じ場合に省略ができるのですね。ここ勉強する2つの主語が違っていて、省略できないような分詞構文を「独立分詞構文」と読んでます。じゃあ、「手順」に従って確かめてみましょう。
1.接続詞を消す。
Because it was Monday, the barber shop was closed.
「AなのでB」の「理由・原因」だから、迷わず接続詞は消して良い。
2.主語な同じなら消す。違っていたら残しておく。
Because it was Monday, the barber shop was closed.
itは「時間のit」で、決してthe barberを指していない。つまり、この副詞節の主語itと主節の主語the barber shopとは一致しないので、itは省略せずに残しておく。
3.動詞を現在分詞に変える。
Because it being Monday, the barber shop was closed.
wasを現在分詞beingに変えて分詞構文化が完了する。
じゃあ、次の中部大学の類題を解いてみましょう。あ、これはCheck Drillに出題しますよ!
▼バスには空いている座席がなかったので、あたしはずっと立っていた。
Because there was not a vacant seat in the bus, I kept standing all the way.
1.接続詞を消す。
Because there was not a vacant seat in the bus, I kept standing all the way.
「理由・原因」なので迷わず消す。
2.主語な同じなら消す。違っていたら残しておく。
Because there was not a vacant seat in the bus, I kept standing all the way.
「there is A」の主語はAなのだが、分詞構文ではthereだと考える。だから、there is~の場合は必ずthereを残す。
3.動詞を現在分詞に変える。
Because there being not a vacant seat in the bus, I kept standing all the way.
wasを現在分詞beingに変える。
5.notやneverは文頭に置く。
Because there not being not a vacant seat in the bus, I kept standing all the way.
notは文頭に出すのだけれど、注意語thereの前には出せない!「ほらそこ!=there」「ほらここ!=here」の意味の注意語は文頭に置いて相手の注意、注目を引くのが役目。だからthereの方がnotよりも優先順位が高いわけだ。
■バスには空いている座席がなかったので、あたしはずっと立っていた。
There not being a vacant seat in the bus, I kept standing all the way.
それじゃあ、これはどうですか?!よく似てるけど、ちょっと違いますよ。
▼バスには空いている座席がなかったので、あたしはずっと立っていた。
Because there was no vacant seat in the bus, I kept standing all the way.
1~3までの手続きは前のと同じですからここまでは省略します。
Because there being no vacant seat in the bus, I kept standing all the way.
5.notやneverは文頭に置く。noは形容詞だからそのままにしておく。
Because there being no vacant seat in the bus, I kept standing all the way.
このnoは「ゼロの~」の意味の形容詞です。あ、there wereだったらno vacant seatsと複数形になりますよ!どちらも違いはありません。だから、no vacant seatの「形容詞+名詞」の結びつきは強く、noだけを文頭に回すなんてできないわけです。だから、分詞構文化は手順3で終わります。ほらね!けっこうエグい問題でしょ!じゃあ、これもCheck Drillに出すことにしましょう。
【第20章 分詞(2)】例文172
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This was written by
yabu. Posted on
金曜日, 1月 6, 2012, at 3:59 PM. Filed under
「ヤバイ英文法」. Bookmark the
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4 Comments
名古屋大学の農学部を目指しています。
英作文はそろそろですか?
丸山先生が怖いので、
英作の講座をとってないのですが。
普段指サックをはめてますが、
手袋の方が楽なのでは?
C510Y君!とても久しぶりですね。名大の農学部志望ですか。それはとてもやりがいのある「仕事」ですね!英作文についてのご質問ですが、この3学期に手を付けることをお勧めします。そして、丸山先生は決して怖い先生ではありません!それに、彼ほど本気で君たちのことを考えてくれている教師もそんなにいませんよ!彼に英作文の手ほどきを受けると、確実に力が付きます。でも、その前に英作文の基本的なルールをしっかり身につけてからでも遅くはありません。英語教師によって言うことが違うのも事実ですが、英作には3つの段階があると言われます。第1段階は「英語を書くための基本的ルールの習得」、第2段階が「短文の暗記による頻出表現の習得」、そして第3段落が「実践演習による応用力の習得」です。君たちの英作文を添削していて一番困るのが、時制や名詞の単複などの基本が抜けている子の答案は、赤ペンで真っ赤になってしまって、訂正箇所を全部説明していると、一人の答案に1時間以上かかってしまうことです。だから、第1段階と第2段階までは自力でやってくれていると、とても助かります。最後の演習の段階では、自分の書いた答案が正解と一致するはずか無いので、自作答案の正否を添削してもらう必要があります。
第1段階にお勧めの参考書は『大矢英作文講義の実況中継』(語学春秋社)です。ざっと斜め読みをして、何がポイントなのかをつかんでおくと良いでしょう。第2段階の短文の暗記は、その子の学習のクセによって、やった方が良かったり、やる必要が無かったりします。これには色んな本があります。『新・基本英文700選 』(駿台受験シリーズ)なんかが人気があります。でも、これは自分で実際に手にとって覚えやすそうなものを選んでください。
あ、手袋という手がありましたね!気がつきませんでした。今度やってみます。
ああ~だから
丸山先生は単語テストに
受かった人しか
英作をやらせないのですね。
それなら話は簡単です。単語のテストに合格することですよ!丸山先生に単語のテストを見せてもらったことがありますが、とても簡単なテストです。勉強しさえすれば誰でも合格点をとれるテストです。あのテストに合格できなければ、英作文の習得は不可能ですよ!
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