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【講義ノート47】byを使わない受け身③

日本史は僕に興味を起こさせる。
Japanese history interests me.
■僕は日本史に興味を持っている。
I am interested in Japanese history.
これは「させる系」の他動詞と薮下が呼んでいるやつです(学校英文法ではこれを「感情表現の他動詞」と呼びます)。勝手にそう「なる」文化に根付いた日本語と、特定の誘因がそう「させる」文化に根付いた英語との、これが決定的な違いでしたね。「させる系」の用法は「人is -ed」、「物 is -ing」でした。忘れた子はここを参照してください。
させる系の「人 is -ed」にも「be+過去分詞」の受け身の形が隠れています。でも、受け身なのに受け身の訳語はつきません。つまり、I am interestedは「僕は興味を持たされている」ではなく「僕は興味を持っている」という進行形の訳語がついていますね。なぜかというと、これは【講義ノート45】でやった「状態の受け身」と同じで、心の状態を表現しているからです。だから、厳密に言うと「動作文」からできる「受け身」とは違うので、「by+動作主」にはなりません。例題にあるin Japanese historyの「in」は「夢中・熱中のin」です。他にもいくつか「させる系」の例を挙げておきましょう。
■彼らはその知らせに驚いていた。
They were surprised at [by] the news
■上司は君の仕事に満足しています。
Your boss is quite satisfied with [by] your work.
■彼女は試験に落ちるのではないかとビクビクしていた。
She was scared of  failing the examination.
このatは「緊張のat」と言って、心が大きく揺れ動くときは身体に力が入るよね。例えば「びっくりする」とか「面白がる」とか「失望する」様な場合がそうです。withやofは「関連のwith」「関連のof」で、aboutとほぼ同じ意味です。「させる系」の「人is -ed」でよく用いる前置詞はこの4つです。
・「夢中・熱中のin」
・「緊張のat」
・「事柄・関連のwith」
・「事柄・関連のof」
でも、強調したいのが自分が驚いている状態、満足している状態ではなくて、物事によって驚かされていること、満足させられていることである場合にはbyも普通に使います。だから「by+動作主」で、動作主が人だとは限らないわけです。ここら辺が、言葉のいい加減なところですね。
では、類題を解いてみましょう。
She (    ) when she heard his story.【④】駒澤大
①shocked・・・・・・・・・・②is shocked
③was shocking・・・・・④was shocked
■彼の話を聞いて、彼女はショックだった。
Paul is quite satisfied (    ) his new job.【④】高崎経済大
①from・・・・・・②to
③on・・・・・・・・④with
■ポールは新しい仕事にとても満足しています。
【第12章 態(2)】

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