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ReadingDrill第23回(1)

今回からReadingDrill第23回の解説をやります。第22回に続いて、今年度の慶応大入試の次の段落です。今回は設問1と2をやりましょう。
Environmental destruction has driven much migration. [A] Slash-and-burn farming might by now be largely a thing of the past. [B]  Yet, whenever people exploit resources without considering the future, the likelihood of migration increases. [C] That has been the experience of Nauru. Encouraged by foreign corporations, the Nauruans allowed their tropical paradise to be destroyed for money. [D] Today, with no other source of income available, they have turned their island into a temporary home for migrants attempting to reach Australia. Ironically, now that their natural resources have been used up, many Nauruans themselves may soon choose to leave. Obviously, Nauru’s story cannot be repeated on a global scale, as there would be nowhere left to run.
設問1 Indeedを補うとすると、[A]、[B]、[C]、[D]の内のどこが適当か。
indeedじゃなくても、for exampleやfor instance、あるいはin factでもかまいません。
indeed=「際に」
in fact=「際に」
for example、for instance=「例を挙げれば」
これらは全部、話題(テーマ)に対して何か実例を付け加えたいときの論理語です。だから、indeedの直前までが、話題(テーマ)に関する著者の主張文、indeedの直後はその実例なわけです。実例文の特徴は、話がグッと具体的になって、固有名詞や数字が出てきます。
そう考えて読むと、第4文に「Nauru」という固有名詞が出てくるので、ここからが具体的な実例だと分かります。

だから答えは[C]。
論説文やエッセイを読む場合に、for exampleやindeedが出てこなくても、抽象的な主張文と具体的な実例とをちゃんと区別して読まないといけません。すると、主張文は第1文から第3文まで、それ以降は全て実例文だと分かります。抽象文は3つあるのですが、抽象性の一番高い第1文を主張文として良いでしょう。第2文と第3文は主張の繰り返しです。
第1文=「環境破壊人口移動を促進する」
第2、3文=「焼き畑はもうなくなったけど」「 前後の見境もなく環境資源を食いつぶす人口移動の可能性が増す」

「環境破壊」が「(環境)資源を食いつぶすこと」、「人口移動」はmigrationが繰り返されているのが分かります。ね!まったく言ってることが同じでしょ。逆接のYetが出てくるので、第3文を主張文だと考える子が多いのですが、それは間違いです。どうしてかというと、「焼き畑」と対立させて「環境資源の枯渇」を強調してるのが第3文だからです。つまり、「環境破壊」という言葉で、は「焼き畑」を想像したかもしれないけど、しかし今の時代の「環境破壊」は「環境資源を食いつぶすこと」だ!と言いたいわけです。
さて、次にテーマについて考えましょう。前にやった第22回の主旨は「自由貿易→貧富の差→環境破壊→人口移動」で、テーマは「人口移動」でした。つまり、文章全体のテーマが「人口移動」というわけです。そして、それを引き起こす経済的要因(環境)として「環境破壊」が今回の次の段落のテーマじゃないかと見当を付けます。何と言ってもEnvironmental destructionが冒頭文の主語ですからね!
「環境破壊」=「焼き畑」=「(環境)資源を食いつぶすこと」=「熱帯の楽園を破壊すること」=「天然資源の枯渇」
話が進むにつれて、上の様にテーマが具体的に展開します。だから、この段落のテーマは「環境破壊」です。

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