第2課 「文」(4)第3文型①
「やり直しの英文法」、第2課「文」の4回目です。しばらくは「5文型」について講義します。今日は、一般動詞の第3文型について考えます。前回やった第1文型は主語の動作が他の人に及ぶことはありません。その意味で第1文型の動詞は自己完結的な動詞だから自動詞と呼びます。一方第3文型で使う動詞は他者波及的な動詞なので、他動詞と呼びます。「自己完結的」とか「他者波及的」と言ってもなんだか漠然としていて良く分かりませんよね。では、次の例文を見てください。
⊿僕はあなたの妹(姉)を知っています。(L3)
I know your sister.
I know about your sister.
I know of your sister.
この3つの英文には全部「僕はあなたの妹を知っています」の訳語が付きます。一番上のknowは他動詞だから「主語は何+それがどうした+何を」の語順で、knowとyour sisterの間にはなにも前置詞は挟まりません。一方、下の2つのknowは自動詞で「主語は何+それがどうした」で文が終わっています。そして「前置詞+名詞」のabout your sisterやof your sisterが文末副詞としてひっついています。あ、aboutもofも「~に関して」とか「~について」の意味だから「事柄・関連のabout」、「事柄・関連のof」と呼ばれています。ofはoffとは親戚で、スイッチoffは「スイッチが切れている、離れている」わけだから、「分離」がofの原義です。そこから、「色んな話題の中から1つを引き離して、それについて話をする」くらいの意味が派生してきて、「~について」でも使えるようになりました。だから、その違いをあえて表に出して訳出するとこうなります。
⊿僕は君の妹を知っている。
I know your sister.
⊿僕は君の妹のことについて知っている。
I know about your sister.
I know of your sister.
「妹を」も「妹について」もそんなに違わない気もしますよね。でも、実際その内容は全然違うのですよ!一番上は、「君の妹に直接会ったことがあって、個人的によく知っている」のに対して、下の2つは「会ったことはなく、間接的に人から聞いてある程度は知っている」くらいの意味になります。この差が「自己完結的」な自動詞と「他者波及的」な他動詞の違いなのです。つまり、自動詞のknowは「知る」という行為が直接your sisterまでは及んではいないので、そのイメージは勝手な憶測の域を出てはいない。一方、他動詞knowはyour sisterにまでちゃんと波及しているのだから、直接会ってということです。
主語のやる動作が「何を」に確実に波及するのが、この第3文型の特徴です。そして、5つの文型の中で圧倒的に使用頻度が多いのもこの第3文型ですから、動詞の直後に名詞があったら、とりあえず「何を」と訳してみると良いでしょう。
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