第1課 「単語」(39)辞書の引き方・「辞書を引くと頭が良くなる?!」
「やり直しの英文法」の39回目です。前から辞書の引き方について勉強しています。今日は先ず、rightを辞書で引いて、次の英語を和訳してみましょう。
She is right in her judgement.
She is right in front of me.
上手く訳せましたか?She is right inまでは全く同じなので、両方ともrightを「正しい」と訳したくなりますよね。こんな具合です。
彼女の判断は正しい。
彼女は僕の前にいるのが正しい。
上のinは「視点・観点のin」といって、「彼女がやった判断という点において」くらいの意味ですから、「彼女の判断という点では、彼女は正しい」が上の英語の原義です。つまり、rightはSheを飾っている叙述用法の形容詞だと分かります。あ、叙述用法を忘れた子はここを参照しておいてください。
一方、下のinは「場所のin」で、in frontで「前に」、in backなら「後ろに」という様に、位置の前後を表現しています。でも、これだけではどこの前かわからないので、of meを加えて「私の前」になっています。そして、こっちのrightはこの「私の前」を飾っていて、「すぐ前」とか「ちょうど前」の味付けをしている副詞です。だから「彼女は僕の前にいるのが正しい」ではなくて「彼女はちょうど僕の前にいる」が正解です。
ここで1つ覚えておいて欲しいのは、「彼女は僕の前にいるのが正しい」と訳して平然としている神経がいけないということです。いや、正確には「神経」ではなくて「日本語力」ですかね。「僕の前にいるのが正しくて、君の前にいるのは間違っている」なんていう文脈があるわけがありません。もし、こんなことを言う子がいたら、よほどの自己中か、ただの変態です。
英語の勉強で一番大変なのが、この「文脈にピッタリの意味を、辞書に載ってる膨大な語義の中から1つ選ぶこと」です。ここでは絶対に手を抜かないでくださいね。面倒かもしれないけれど、rightを辞書で引いたら、形容詞の「正しい」だけじゃなくて、副詞の「ちょうど・すぐ」や名詞の「権利」や「善・公正」まで、ざっとで良いから眺め回すことです。そして、rightが持つたくさんの語義に共通する「原義」を考えてください。例えばこんな具合です。
そして、文脈にピッタリ合った訳語を探したり、原義から意味の広がりを考えると、君の頭は絶対に良くなります。逆に、問題集によっては脚注が付いていて、「right in front of A=ちょうどAの前に」なんて書いてあるのがあります。こんな問題集を使っていると、君の頭は絶対に悪くなります。だって、初めから正解を与えられている分けですから、全く頭を使う必要なんてありませんからね。使わない頭が良くなるはずがありません。
さてそれでは問題です。上の意味の広がりを頭に置いて、次の英文を和訳してごらんなさい。
I have the right to demand your explanation.
Children must develop a sense of right and wrong
これの解説は次回にしましょう。
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