マーカ抽出法講義(25)
マーカ抽出法講義の25回目です。前回から2013年度の広島大学の問4を「マーカ抽出法」を使って解いてます。今回はやり残しの選択肢(1)、(3)、(4)を考えてみましょう。
¶2 What stood out for researchers was this: the nuns who wrote about their lives with the most positive attitudes at a young age were 2.5 times more likely to be in better health in late life than those nuns who saw life through a darker lens. (1)(3)Since the nuns in what is known as the Nun Study were all eating the same food, were nonsmokers, drank little if any alcohol, lived in similar housing, held similar jobs, were receiving the same medical care, and had the same socioeconomic status, the differences were all the more striking. (4)The healthiest nuns were those whose writings showed a clear sense of humor and ability to adapt to life’s stressors―including the normal health challenges that can accompany aging.
選択肢(1)(3)(4)のマーカ文が共通の根拠文になっていて、グリコじゃないけれど「1粒で3度おいしい」わけですから、これは結構助かります。根拠文はこんな具合です。
⊿『修道女の研究』として知られている研究論文の中で、修道女達は皆、同じ食べ物を食べ、タバコは吸わず、お酒は飲んでも少しだけで、同じような住環境に暮らし、似たような仕事をし、同じ医療を受け、同じ社会的経済的な状態にあったので、その相違点が余計に目を引いた。(相違点というのは)とても健康な修道女は、ユーモアのセンスがあることがハッキリ分かり、生活の中のストレス源に対応できる能力のある文章を書いた者たちだった。
⊿(1)たとえ修道女たちが同じ食べ物を食べ、タバコを決して吸わなくても、彼女たちは全般的に不健康で消極的な生活を送る傾向があった。
(1) Even though nuns ate the same food and never smoked, they tended to live unhealthy and inactive lives.
これは、どんなに健康に良いことをやっても、修道女は全般的に不健康で消極的だったと言っているので、「全体肯定」になっているのでダメ。それに、これには「理由・原因のすり替え」があって、修道女が不健康である理由は「ユーモアのセンス」がなくて、「生活のストレスに対応できる能力」がないこと。そんな子たちは確かに同じものを食べていても、タバコを吸わなくても全般的に不健康だったかも知れないが、その理由・根拠が選択肢(1)には与えられていない。
⊿(3)同じような住環境に暮らし、同じ医療を受けている修道女が違う社会的経済的状態にあることもある。
(3) Nuns who lived in similar housing and received the same medical care sometimes had different socioeconomic statuses because of aging.
これは一目瞭然で、「住環境」「医療」「社会的経済的状態」は、修道女達の共通性として挙げられたもので、「ユーモア」と「ストレス対応能力」だけが健康かどうかの差異的要因だったので、ダメ。
⊿(4)とても健康な修道女の重要な要因は、よく冗談を言って、ストレスから来る困難な状況に対する忍耐力があることだ。
(4) The important elements for the healthiest nuns were to be witty and to have the ability to cope with troubles causing stress.
これは同じ内容を別の表現を使って書いてあるという「正しい選択肢」の条件を満たしているので、これが正解。
a clear sense of humor = to be witty
ability to adapt to life’s stressors = the ability to cope with troubles causing stress
ね!根拠文を見つけるには、マーカの抽出がとっても有効だと分かります。次回は問2以外の設問を考えてみましょう。
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4 Comments
藪下先生どうもこんばんは。一年ぶり二度目の質問です。
この前模試で英作文をしている最中に気になったのですが、形容詞的用法を使う上で、何か「使用条件」はありますか?
というのも、思い返すとテストの模範回答にも、学校の先生の回答にも、英作文において形容詞的用法が用いられてた記憶がほとんどないのです。
参考書や問題集も「something to eat(drink)」など、「形容詞的用法」のページではどれも同じような文が説明に用いられていて、例文自体のバリエーションが少なく、「もしや形容詞的用法って使える場合自体がそもそも少ないのか?」と思ったわけです。
藪下先生、どうかお教え下さい。
gum君!本当に久しぶりですね。ご質問の「形容詞的用法」ですが、もう少し具体的に書いてくれると嬉しく思います。というのは、不定詞も、現在分詞や過去分詞も、関係代名詞が導く形容詞節も、前置詞+名詞も、全部形容詞的に使うことが出来ます。場合によっては、この5つ以外でも2語以上の単語で出来上がった形容詞句も考えられますよね。ですから、gum君は何を指して「形容詞的用法」と呼んでいるのかハッキリしないわけです。もしかするとこの全部を指していますか?
あ、分かりづらくてすみませんでした。
今回はto不定詞での形容詞的用法のことです。
例えば今回の模試で僕は
「words to describe snow」(雪を表現するための言葉)というような節を作ったのですが、それは可能ですか? ということです。
gum君!回答が遅くなってごめんなさい。ご質問の「雪を表現するための言葉」ですが、君の言うようにwords to describe snowでOKですよ!不定詞の飾りには「これから~する予定の」と「~することができる」の2つの意味があるので、「雪の意味を表現することが可能な言葉」の意味で不定詞が使えます。
⊿今日読む予定の本(今日読まなくちゃならない本)
a book to read today
⊿雪の意味を表現できる言葉
words to describe snow
他にも、関係代名詞を使ってこう言っても良いでしょう。
⊿雪の意味を表現できる事は
words that can describe snow
words with which we can describe snow
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