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マーカ抽出法講義(6)

マーカ抽出法の第6回目です。今日は「マーカ抽出法」を使って南山大学の問題を解く予定でしたが、卒業生で同志社大にいる慶太郎くんから、どうしても「TOEICの実践的な問題の解き方を教えて欲しい」との要請があったので、急遽予定を変更してTOEICの「Reading Section」で「マーカ抽出法」をどう使えば良いのかを講義することにします。
中学レベルの英語から、いきなり大学生が受験するTOEICの英語に飛ぶと、面食らう子もいるかもしれませんね。でも、TOEICの英語は特定のテーマについて具体的に解説している「説明文」で、中学レベルの「物語文」と比べてもその具体性の高さに大差はないので、同じように「マーカ抽出法」が使えます。だって、具体性が高ければ高いほど「名詞」でウソがつけなくなりますからね。
TOEICのReading Sectionの問題は、「語彙問題」「内容一致問題」「文補充問題」「要約問題」の4つで構成されています。そして、その中で一番出題数の多い「内容一致問題」にマーカ抽出法がバッチリ使えます。では、いつものように先に設問の英文を見てみましょう。
最初の問題は4つの選択肢のうち3つが正しい記述で、本文の内容と一致しない1つを選び出せというものです。こういう場合は、空所のある設問文の方からじゃなくて、各選択肢の英語からマーカを抽出します。つまり、4つのマーカを抽出して、本文中にそれを全部探し出さなければなりません。だから、前にやった中学英語に比べると、数が増えてとっても面倒くさく感じるかも知れませんが、ある意味ではTOEICの選択肢の方が簡単です。なぜなら、マーカになる「名詞」がハッキリしていてとっても抽出しやすいし、その上そのマーカがどの段落に出てくるかまで指定してくれてるからです。こんな具合です。
In paragraph 1, each of the following is mentioned as a feature of the city of Teotihuacan between A.D. 150 and 700 EXCEPT (   ).
(A) regularly arranged streets
(B) several administrative centers spread across the city
(C) many manufacturing workshops
(D) apartment complexes
設問 テオチワカンの町の特徴として(  )以外のことは第1段落の中ですべて述べられている。
(A)規則正しく配置された道路
(B)町中に散在する
(C)たくさんの製作所
(D)共同アパート
それじゃあ次に、マーカを探しながら、第1段落の英語を読んでゆきましょう。
¶1  The city of Teotihuacan, which lay about 50 kilometers northeast of modern-day Mexico City, began its growth by 200 –100 B.C. At its height, between about A.D. 150 and 700, it probably had a population of more than 125,000 people and covered at least 20 square kilometers. It had over 2,000 apartment complexes, a great market, a large number of industrial workshops, an administrative center, a number of massive religious edifices, and a regular grid pattern of streets and buildings. Clearly, much planning and central control were involved in the expansion and ordering of this great metropolis. Moreover, the city had economic and perhaps religious contacts with most parts of Mesoamerica (modern Central America and Mexico).
パッと見で、マーカ文はすぐに見つかります。そしてそれが根拠文にもなっています。でも、マーカの名詞を飾っている形容詞が微妙に書き換えられているので、どれが正しいのか判断に迷うかも知れませんね。
設問 タウチワカンの町の特徴として(  )以外のことは第1段落の中ですべて述べられている。
(A)規則正しく配置された道路・・・碁盤の目のように走る道路
(B)町中に散在する役所・・・役所
(C)たくさんの製作所・・・数多くの製作所
(D)共同アパート・・・2000以上の共同アパート
でもご安心あれ!TOEICの間違った選択肢は、形容詞を微妙に書き換えることで作ったりしません。形容詞の語彙力を試したければ「語彙問題」で試します。「内容一致問題」の間違った選択肢は単純で、「本文には実際にそんなこと書いていない」が根拠で不正解!前にやった間違った選択肢のパターンを思い出してください。こんなやつでした。
1.主語のすり替え
2.動詞の時制のすり替え
3.数量や程度のすり替え
4.否定表現の転換
5.前後関係、因果関係の逆転
6.特殊な事実の一般化
TOEICに該当するのはせいぜい1から3までです。この3つを乱暴にまとめてしまうと「事実のすり替え」と言って良いでしょう。この例題も「3.数量や程度のすり替え」で作られています。つまり、選択肢の方はcentersですから役所は複数存在することになってますが、本文ではan administrative centerと単数形ですから役所は1つしかありません。ね!「数量」がすり替えられてるでしょ!一方、日本の模試や入試の問題は4~6の「論理の転換」が比較的多いので、こっちの方がTOEICよりも厄介です。じゃあ、いつものように訂正しておきましょう。
×(B) several administrative centers spread across the city
・・・・・・an administrative center in the city

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