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マーカ抽出法講義(3)

マーカ抽出法講義の3回目です。今日は選択肢のを考えて見ましょう。普通なら、その選択肢に独特の名詞を1つか2つくらい選んでマーカにするのですが、picturesをマーカにすると上手くいきません。だって、選択肢イのマーカ、a lot of picturesとかぶってしまうからです。だからthe picturesは選択肢に独特の名詞とはいえません。
イ A lot of pictures were put on the wall to help Bob.
ウ  Bob forgot about the pictures his wife and children took.
そんなときは、名詞の塊(かたまり)をザックリとマーカにします。つまり、「写真」だけではイと区別がつかないので、「彼の奥さんと子供達が撮った写真」をマーカにするわけです。こんな具合です。
ウ  Bob forgot about the pictures his wife and children took.
あ、ここで大切なのは、「マーカを抽出すること」が最終目的ではない!ということです。言い換えると、マーカなんてササッと選んでしまって、早く根拠文の探索に取りかかることが大切なわけです。もっと言うと、マーカの抽出はテキトーでかまいません。ま、本当は大学によって選択肢に特徴があって、マーカの抽出の仕方には大学に応じたコツがあるのですが、それについてはもっと先で講義をすることにします。ここで覚えておいて欲しいのは、「最終目的は選択肢の正誤の判定」だと言うことです。
さて、抽出したマーカを本文中に探してみると、次の英文に出くわします。
¶1 Bob was beginning to forget things.  One day when he went shopping, he forgot what to buy.  He often forgot about his keys, his umbrella, or money when he left home.  His wife Kate and his children worried about him.  So they decided to take some pictures of things Bob forgot, and put him on the wall in their living room.  Bob sometimes could not remember people’s names.  So they put a lot of pictures of people with their names on the wall.  At night, Bob and his family enjoyed talking about the pictures on the wall in their living room.
ここにも前にやった「A so B」が出てきます。やっぱり文Aもちゃんと読んでおく必要がありそうです。すると、theyはhis wife and childrenだと分かります。ならばマーカがここでヒットしたと考えて、この2つの文を根拠文にします。
選択肢と根拠文を比べると、ウでは「ボブの奥さんや子供達が撮った写真のことを彼が忘れる」と言ってますが、根拠文では「ボブが忘れるモノの写真を奥さんや子供達が撮った」になってます。この2つは文の流れの前後関係が逆転していることが分かります。つまり、「ボブがモノを忘れるので、その写真を撮る」と「写真は撮ったけど、その写真のことを忘れる」、もっと簡単にすると「忘れる→撮る」と「撮る→忘れる」です。ね!流れが真逆になってるでしょ!だからウは間違いだと判断できます。じゃあ、訂正しておきます。
×ウ  Bob forgot about the pictures his wife and children took.
・・・・・・・・・・・・・・some things, so his wife and children took the pictures.
この「前後関係の逆転」は間違った選択肢の典型的なパターンですからちゃんと覚えておいてください。特に「A so B(A、それだからB)」には「A→B」の流れがあるので、そのAとBとを反対にするだけで簡単に間違った選択肢が作れます。だから、本文に「A so B」が出てきたら注意して読まなきゃなりません。あ、間違った選択肢のパターンは全部で6つあります。こんな具合です。
1.主語のすり替え
2.動詞の時制のすり替え
3.数量や程度のすり替え
4.否定表現の転換
5.前後関係、因果関係の逆転
6.特殊な事実の一般化
間違った選択肢のパターンが分かっていると、選択肢を見る目が変わりますよ!!さっき「大学によって選択肢に特徴がある」と言いましたが、言い方を変えると「大学によって間違った選択肢の作り方に特徴がある」と言うことです。ま、これについてはこの先ゆっくり説明してゆきますからお楽しみに!
今回は、「名詞の塊(かたまり)をザックリとマーカにする」ことを勉強しました。同じように「副詞の塊をザックリとマーカにすること」ができます。例えば選択肢のがそうです。
 Bob wrote what to buy on his gloves when he went shopping.
ボブが買ってくるものを手袋にメモしたかどうかは分かりませんが、ボブは間違いなく買い物には行くはずです。だから、カの正誤を判別するには、ボブが買い物に行く話が始まるまではサッサと本文を読み進めば良いわけです。
さて最後に、今までに見てきた選択肢、ア、イ、ウの正誤を判断する根拠文の位置に注目してください。根拠文が2つの文にまたがる場合は他のと重なって面倒なので、マーカがヒットした文の方に下線を引きました。
¶1 Bob was beginning to forget things.  One day when he went shopping, he forgot what to buy.  He often forgot about his keys, his umbrella, or money when he left home.  (ア)His wife Kate and his children worried about him.  So (ウ)they decided to take some pictures of things Bob forgot, and put them on the wall in their living room.  Bob sometimes could not remember people’s names.  So (イ)they put a lot of pictures of people with their names on the wall.  At night, Bob and his family enjoyed talking about the pictures on the wall in their living room.
すると、順番がア→ウ→イになっているのが分かります。こういう事は普通はほとんど起こらないと思っておいてください。つまり、一部の例外を除いて、選択肢の順番とストーリの展開は一致します。必ず一致すると考えて問題を解いてください。ここら辺に大学の先生達は変なこだわりがあって、ちゃんと英語の力を見るためには選択肢の順番とストーリ展開を一致させないといけないと考えています。それ以外の力が必要な問題、例えばパズルや知恵の輪を解くような、英語を読むのとは別の頭を働かせないと解けないような問題は卑怯だ!と思っているわけです。ま、早稲田の一部の学部などはそうは行かないのですが、それは早稲田を受験するときに考えれば良いことです。その意味で、この問題はちょっと特殊だと思っておいてください。続きは次回にしましょう。

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